
グッドネーバーズ・ジャパンは、令和6年能登半島地震で被災した子どもたちを対象に、能登地域で約2年間にわたり心理社会的支援(Psychosocial Support:PSS)を実施してきました。
中編では、七尾市和倉地区で新たに始まった「わくらPSS」について、活動地の状況とともに、写真や絵、粘土を使って子どもたちが自分の気持ちを表現していく様子をご紹介します。
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成を受け、特定非営利活動法人「地球のステージ」の監修のもと実施しています。
※前編の記事はこちらからご覧ください。
【令和6年能登半島地震】2年間に及ぶ心理社会的支援プログラムが終了<前編> | 特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパン
発災後、石川県輪島市、七尾市田鶴浜地区・能登島地区と活動地を移し、2025年4月からは七尾市の和倉地区にて子ども支援活動を実施しました。
和倉地区は、七尾湾に面した全国有数の温泉地である「和倉温泉」を中心に発展してきた地域で、海を臨む旅館が立ち並んでいます。
能登半島地震では、この和倉地区も大きな被害を受けました。国土交通省の報告によると、海岸線沿いのほぼすべての護岸が傾斜・倒壊する甚大な被害が確認され、建物の安全性や営業継続にも深刻な影響が生じました。
和倉温泉の中心部に位置する「湯元の広場」周辺を歩くと、地面のひび割れや建物の傾きも見られました。また、一部の店舗は仮設商店街へ移転して営業を再開しているものの、旅館関係者の中には、休業や転職を余儀なくされた方もいらっしゃいます。
このような状況を受け、和倉地区を次の活動地域とし、子どもたちを対象とした心理社会的支援を開始しました。
出典:国土交通省「令和6年能登半島地震における和倉温泉護岸復旧について」https://www.hrr.mlit.go.jp/library/happyoukai/R7/d/d-07.pdf?utm_source=copilot.com
2025年5月14日を初回として、毎週水曜日15時30分から17時までを「わくらPSS」の活動時間とし、プログラムを開始しました。
初回には6名の子どもたちが集まりました。活動のはじめに、絵や作品の上手い下手はまったく関係がないこと、自分と向き合い、表現することが目的であることを伝えました。
また、“思いやり”をもってみんなと接すること、“ホウレンソウ(報告・連絡・相談)”を大切にしてほしいことを約束事として話すと、子どもたちは真剣に耳を傾けてくれました。
最初の活動は、写真を使った自己紹介です。たくさんの写真の中から好きなものを選び、吹き出しをつけたり、複数の写真を組み合わせて物語を作ったりしました。
4枚の写真を使って、
「いい天気 → 散歩 → 地震のあと暗い気持ち → 良いもの見れてみんなハッピー」
という話を作ってくれた子もいました。
次の活動では、絵を描くワークショップを行いました。テーマは、「好きなもの・こと/嫌いなもの・こと」「大切なもの・こと」「忘れられないあの日」です。
「大切なもの・こと」では、テレビやお金、愛を描いた子がいました。「忘れられないあの日」では、地震の日に家族で家から近所のお寺へ避難した景色を描き、そのときの様子を話してくれた子もいました。
描き終わった後には、発表タイムと質問タイムを設けました。周りにいる子どもやスタッフから「これはいつのこと?」「どんな思いで描いたの?」などと問いかけがあり、聞かれた子はじっくり考えて伝えます。
お互いに関わり合うことで、その子なりに言語化し、物語化し、自分の思いを表現していきました。
絵による表現の次は、粘土制作です。
絵と同じく、「好きなもの・こと/嫌いなもの・こと」「大切なもの・こと」「忘れられないあの日」について、粘土で造形し、色をつけていきました。
「嫌いなもの・こと」では、充電器を作り、「充電が切れることがいや」と話してくれた子がいました。
「大切なもの・こと」では、家の扉と鍵を作った子がいました。理由をたずねると、「家の中に大切なものがあるから」と話し、「例えば?」と聞くと、「人形」「お父さん」「お母さん」と教えてくれました。
制作を始めると、細かい部分まで集中して取り組む子もいれば、おしゃべりを楽しみながら手を動かす子もいました。子どもたちは、それぞれ自分に合うペースで活動に取り組んでいきます。
空き時間には、好きなことをして自由に遊びました。その頃に流行していたのは「犯人は踊る」というカードゲームで、犯人が変わっていく展開に、スタッフを含めてみんなで夢中になりました。
夏休み明けにはスイカ割り、10月にはハロウィンの飾りつけも行いました。PSSでは、表現活動だけでなく、子どもたちにとって安心・安全な居場所であることを大切にしてきました。
ここまでは、和倉地区の紹介をはじめ、活動の目的や、活動を始めた当初の子どもたちの様子をお伝えしました。
後編では、ジオラマ制作やプログラムの最終段階である映画づくりについてご紹介します。活動を通して子どもたちが少しずつ自分自身と向き合い、その思いを形にしいきます
次篇では、ジオラマ制作や映画づくりを通して、子どもたちの思いが地域へと広がっていく様子をご紹介します。
能登の人々の暮らしを支える活動に、ぜひ温かいご支援をお願いいたします。
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例)ヤマダ ハナコ ノトハントウジシン |
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