【令和6年能登半島地震】子どもたちへの心理社会的支援を行いました <前編>

2024年10月から2025年3月まで七尾市の小学校2校の児童を対象に心理社会的支援(Psychosocial Support, 以下PSS)を実施しました。
当プログラムでは、心療内科・精神科医の桑山紀彦氏監修のもと、全21回の活動を実施いたしました。6か月間に渡る活動の様子を、前編・後編に分けてご紹介いたします。
前編では、心理社会的支援の説明と、その第1ステージである二次元表現についてお伝えします。
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成を受け、特定非営利活動法人「地球のステージ」の監修のもと実施しています。
心理社会的支援(PSS)とは
心理社会的支援とは、自然災害などで被災し、心的外傷(トラウマ)を負った方を対象とした心のケアのこと。当事者の方々が心理社会的支援を通して心の傷に向き合うことで、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や急性ストレス障害、大うつ病などトラウマ関連の精神疾患を予防することにつながります。心の傷を忘れ去るのではなく、つらい経験と向き合うことで健康な心を取り戻すことをゴールとしています。震災の体験と向き合い、感情や記憶を整理し、自分のストーリーを作って表現することでPTSDの予防や、その症状の軽減に役立てます。
このプログラムは3つのステージに分かれていて、平面から立体、そして空間へと表現するレベルを上げていきます。
・[第1ステージ]写真や絵を用いた二次元表現。自分の物語を作り表現していきます。
・[第2ステージ]粘土やジオラマを用いた三次元表現。
・[第3ステージ]音楽や映画制作を通した四次元表現。
プログラムは全て、PSSの手法等について研修を受けたスタッフがサポートして進行します。今回プログラムを実施したのは、七尾市の中でも地震の被害が大きかった田鶴浜地区と能登島地区の子どもたちです。各校の小学4~6年生の計24名が参加し、2024年10月に開始しました。


[第1ステージ その1]写真を使った表現法
活動をはじめるにあたり、この活動に名称をつけました。それが「田鶴浜Peaceful Stars」と「能登島Peaceful Stars」です。略してPSSとなっており、心理社会的支援(Psychosocial Support)の略であるPSSと掛け、二つの意味を持つネーミングにしました。
1時間半の活動では、始めに日直の子どもが挨拶をして、PSSがスタートします。


[第1ステージ その2]絵を描いて表現する

写真の次は、絵を用いて表現します。
活動前に、子どもたちには、絵の上手い下手は全く関係がないこと、自分と向き合い表現することが目的だと伝えました。絵を用いてのプログラムは全3回で、「好きなもの・こと/嫌いなもの・こと」、「大切なもの・こと」、「忘れられないあの日」というテーマで行いました。
「大切なもの・こと」では、ゲームやお金、命や友達・家族を描いた子がいました。「忘れられないあの日」では、サッカーでゴールを決めた日、友人が引っ越してまった日、地震でリビングの食器棚が倒れてきたことなどを絵で表現しました。
描き終わった後には、発表タイム&質問タイムを設けました。周りにいる子どもやスタッフから「これはいつのこと?」「どんな思いで描いたの?」などと問いかけがあり、聞かれた子はじっくり考えて伝えます。お互いに関わり合うことで、その子なりの言語化、物語化、感情の整理につながります。


おわりに
活動を重ねるにつれて、子どもたちは自分の気持ちを表現したり、自分らしく語ったりできるようになってきました。次回の後編では、次のステージである三次元表現と四次元表現での様子を紹介していきます。
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