【令和6年能登半島地震】心理社会的支援 (PSS)専門家による研修を受けました
2024年1月1日に石川県の能登地方で発生した地震を受け、グッドネーバーズ・ジャパン(GNJP)は被災した石川県輪島市および七尾市にて緊急支援活動を実施しています。
心理社会的支援
2024年3月からは石川県輪島市にて小学生を対象とした心理社会的支援(Psychosocial Support, 以下PSS)※ を開始しました。GNJPが行っているPSSは、震災によって以前とは違う環境で生活することを余儀なくされた地元の小学生の心の健康を守ることを目的としています。震災のトラウマ体験と向き合い、感情や記憶を整理し、自分のストーリーを作って表現することでPTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症を予防します。
PSS事業の実施にあたり、GNJPの現地スタッフはPSSの専門家である桑山紀彦先生の研修・指導を受け、より良い支援を行うためにPSS手法への理解を深めました。桑山先生は心療内科医、精神科医であり、認定NPO法人「地球のステージ」の代表を務めています。これまで世界各地で心のケアの経験をお持ちで、昨年はGNJPと共にウクライナの子どもたちへの心の支援としてPSSワークショップを実施してまいりました。
子どもたち向けのPSSワークショップは、専門家の監修のもと、ファシリテーターとしての研修を受けたスタッフが実施します。
今回、桑山先生には輪島市で行われているワークショップの視察と現地スタッフへの指導・研修を行っていただきました。本記事では研修の内容をお伝えします。
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成を受け、認定NPO法人「地球のステージ」のスーパーバイズのもと実施しています。
写真言語法
初めに、用意された30枚程度の写真の中から、1枚を選びそれを選んだ理由を述べます。なぜその写真なのか、何か自分に関係があるのかを1人ずつ語っていきます。
次にまた別の写真を選び、今度は写真に写る人や物になりきってセリフを考えます。写真の中には被災地や避難所の写真なども混じっており、能登半島地震当時石川県にいたスタッフは、その経験からセリフを考えていました。
「忘れられないあの日」を絵で表現する
次に、「忘れられないあの日」をテーマにして自分のトラウマを絵に表現しました。
トラウマをトラウマとして認識することは難しく、時には自分でも自覚のなかった幼少期の体験が今の生活に影響を及ぼしていることもあるそうです。
「理由はわからないけど何度も頭の中で思い浮かぶ情景はトラウマかもしれない」という桑山先生の言葉を参考に、スタッフは各々忘れられないあの日を絵にしていきました。絵を書いた後は、粘土でその記憶を表現しました。
針金で人生を表現する
次に針金で自分の今までの人生を表現するというアクティビティをしました。これは自分の人生の上がり・下りを針金で表現し、過去のことに向き合うためのものです。
針金を形作った後は、粘土でその頃のイメージを表現し、貼り付けます。完成後スタッフ同士で作品を発表しました。
研修を受けて
研修を受けたGNJPスタッフに研修の感想を聞きました。
研修を受け、トラウマというものがいかに自分で認識することが難しいものかと考えさせられました。私自身、「忘れられないあの日」をテーマに絵を描くことで、自分では気づいていなかったトラウマになりうる出来事に向き合うことができました。また、そのエピソードを他の人に聞いてもらうことで自分の中でも整理でき、研修が終わった後にはすっきりした気分になりました。
現在、私たちは輪島市においてPSSワークショップを開催し、被災した子どもたちが震災のトラウマと向き合うサポートをしてまいります。子どもたちのさりげない一言に着目し、震災を経験した子どもたちがトラウマに悩まされることがなくなるよう、事業を進めていきたいと思います。
最後に
グッドネーバーズ・ジャパンは、石川県や輪島市、七尾市、社会福祉協議会、教育委員会など関係する各組織や団体とも連携し、現地のニーズに合った支援を進めてまいります。
どうか、皆さまの温かいご支援をお願い申し上げます。
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口座名義 | トクヒ)グツドネーバーズジヤパン |
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活動報告
【令和6年能登半島地震】仮設住宅などへの電化製品提供の支援や小学生を対象とした学習支援および心のケア支援を行います
【令和6年能登半島地震】冬用の帽子や手袋を提供しました
【令和6年能登半島地震】2月5日と7日に輪島市の避難所で物資支援と炊き出しを行いました
【令和6年能登半島地震】2月3日と5日に輪島市の避難所で炊き出しを行いました
【令和6年能登半島地震】避難所での物資配布と炊き出しを継続して行っています
【令和6年能登半島地震】JAのと おおぞら天翔河原田にて炊き出しと衣料品等の物資提供をしました
【令和6年能登半島地震】避難所にて炊き出しと衣料品等の物資提供をしました
【令和6年能登半島地震】輪島市の避難所にて8日に夕食の炊き出しを行いました
【令和6年能登半島地震】大きな被害を受けた輪島市にて水・食料の配布を行っています
【令和6年能登半島地震】大きな被害を受けた輪島市にて炊き出しを行います
【令和6年能登半島地震】スタッフ2名が被災地に入りました
【令和6年能登半島地震】緊急支援募金を開始しました
【令和6年能登半島地震】石川県能登地方を震源とする地震の緊急支援対応について