【ウクライナ危機】ハルキウ州で保護支援事業を実施しています<前編>

グッドネーバーズ・ジャパン(以下、GNJP)は、2024年11月からハルキウ州において脆弱な戦争被災世帯への保護支援を実施しています。
この事業は、ドニプロペトロウスク州で実施してきた事業と同様、危険にさらされている人々の命を守り、脆弱性を抱える人々が直面する複雑な課題に対処できるよう支援することに重点を置いています。
ハルキウ州では、2024年5月よりロシアの攻撃がさらに激化し、州北部の前線や国境近くの一部地域が再度ロシアの占領地域となりました。それ以降、新たな避難民が発生し、IOM(国際移住機関)によると、2025年2月時点で、ウクライナ国内で最も多い392,191人の国内避難民を受け入れています。*
今回は、GNJPのローカルスタッフがモニタリングで訪れた際のハルキウ州の様子や、現地から届いた事業スタッフからのメッセージをご紹介します。
*Ukraine — Area Baseline Assessment — Round 39
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成により実施しています。
現在のハルキウ州の様子
2025年2月、GNJPスタッフのアナスタシアさんとカチェリーナさんが事業のモニタリングのため、ハルキウ州を訪れました。ハルキウはウクライナ北東部に位置し、キーウに次いで2番目に大きな町として知られています。
「2月のハルキウはとても寒かったです。これまでGNJPの事業で訪れたミコライウ州やドニプロペトロウスク州でも、活動中に空襲警報が鳴っていましたが、ハルキウでは本当にひっきりなしにサイレンが鳴っていました。他の都市ではめったにない携帯電話の緊急アラートも何度も鳴り、この町が置かれている厳しい状況が身に沁みました。大都市のわりには交通量が少なく、避難のために流出した若者層が多いことを感じました。」
現場スタッフよりメッセージ動画
今回の出張では、日々前線から人々が逃げてくるハルキウ州で、奮闘しているスタッフの皆さんからお話を伺いました。ケースマネージャーのカチェリーナさんは、GNJPが行うこの支援活動は、本当に不可欠であると語ってくれました。
「ハルキウ州で実施しているケースマネジメントの内容は多岐に渡っていますが、支援が難しいケースもあります。昨年5月以降、前線から避難してきた高齢者の方の支援ニーズが特に高まっています。健康上の問題や障害により移動ができなかったり、長く過ごしてきた故郷を離れる決断ができなかったりといった理由で、家族や親戚が避難した後も取り残されてしまった人々が多くいます。併せて医療支援のニーズも非常に大きく、障害認定を得るための診断書の取り付け支援なども行っています。冬は寒くなるので、ヒーターの需要も高いです。」
また、現金給付を担当しているナタリアさんも次のように語っています。
「ハルキウ州は今も前線にあり、地域の大部分が占領されたり、戦闘の影響で人が住めない状態になったりしています。毎日100~1,000人の人々が前線地域から市内に避難して来ます。(中略)皆さまのおかげで、人々は緊急手術を受けることができ、自分のベッドで眠り、屋根のある場所で暮らすことができています。これも、温かい心を持つ皆さまの支えがあってこそです。 」
支援を受けた方よりメッセージ
前線から避難してくる人々は、十分な荷物を持ち出すことができず、多くの人が鞄ひとつで避難してきます。避難をする中で、大切な書類の紛失をしたり命に係わる治療を受けられなくなったりして、医療へのアクセスが途切れてしてしまうこともあります。
GNJPが行う保護のための現金給付(キャッシュ・フォー・プロテクション)は、特に脆弱な立場に置かれている人々をリスクから守り、個々が抱える課題を解決することを目的としています。
支援を受けたある女性は、この現金給付により具合の悪い足の治療を受けられるようになりました。その感謝のメッセージが届いています。
おわりに
ハルキウ州の事業では、今回ご紹介したケースマネジメント、保護のための現金給付の他、心理士による心理社会支援を実施しています。このように複合的支援を実施することで、前線に近く厳しい状況に晒される人々が、少しでも安心して日々の暮らしを営んでいけるよう支援を行っています。
今後、本事業で実施している心理社会支援も詳しくご紹介します。
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