【ウクライナ危機】年表と地図で振り返る3年間の支援活動
2022年2月24日にロシアがウクライナに全面侵攻を開始してから、間もなく三年が経ちます。
2024年10月時点で、約680万人の人々が難民として国外に逃れており、約360万人の人々が国内避難民としての暮らしを余儀なくされています。また、現在約1,270万人、3人に1人が人道支援を必要としていると言われています。
グッドネーバーズ・ジャパン(GNJP)は、皆様のご協力の下、これまでも様々な支援を実施してきました。しかし、ウクライナは依然として深刻な人道危機下におかれています。私たちは今後も、支援を必要とする一人でも多くの人に、適切な支援を届けることができるよう活動を続けていきます。
▼GNJPスタッフよりメッセージ動画(クリック/タップすると表示されます)
今回は、GNJPのこれまでの三年間の活動を振り返りながら、ウクライナの人々の声をお届けします。

フェーズ01:命をつなぐ支援
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2022年3月、GNJPは、ウクライナから多くの人々が避難していた隣国のルーマニアに職員を2名派遣し、どのような支援を行うべきか調査を行いました。
調査は、ウクライナからの避難民が多く滞在しているスチャヴァ、ガラツィというルーマニアの国境の町で行い、すでに支援を開始していた現地の市民団体や国連機関、行政機関からの聞き取りに加え、実際にウクライナから避難してきた人々に話を伺いました。

「戦闘が近づくにつれ、砲撃とサイレンが毎日街中に鳴り響くようになりました。だから、自宅から避難することにしたんです。」
「これからどこに行って何をすればいいのか、まったくわかりません。今は到着したばかりなので、特に私たちに必要な支援は思いつきませんが、ウクライナに残された人々は緊急の支援を必要としています。どうか助けてあげてください」
(タチアナさんとタチアナさんの母親のお話より)
この調査結果を踏まえ、GNJPは、ルーマニアを拠点に、ウクライナに残っている人々の命を守るための支援から始めることを決定しました。まずウクライナ、ルーマニアの提携団体と協力し、食糧や医療機器、医薬品、越冬支援物資などの物資輸送、配布支援を2022年5月から開始しました。

これらの配布支援は、主にジャパン・プラットフォームからの助成を受け実施し、現在までに370.5トン(37,050世帯/111,150人分)の食糧や、3,220箱(200人/箱、640,000人分)の医薬品、7,900箱(14,096人分)の越冬支援物資などを届けました。
▼医薬品を受け取った方からのメッセージ(クリック/タップすると表示されます)
併せて、ルーマニアに避難してきた人々が安心して生活を送れるよう、2023年2月からはガラツィ、スチャヴァ、コンスタンツァの三都市でシェルター支援やシェルターで暮らす孤児院の子どもたちの食事の支援を行いました。

フェーズ02:個々のニーズへの対応
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2023年2月にルーマニアでウクライナ難民向けのシェルターの支援を開始したことから、GNJPは一人ひとりのニーズに沿った支援ができる事業を展開しました。
ルーマニアでは、避難してきた子どもたちがウクライナの教育を継続することができるよう、補修校や対面での補習クラスを提供し、子どもたちのPTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病などを予防するため心理社会的支援(心のケア)を行いました。

また、難民の人たちが自分たちで必要なものを購入することができるよう多目的現金給付を行いました。
慢性の骨粗鬆症と腰痛を抱えるリュドミラさんは、背骨が衰えてきているため歩くのが難しく、手術をうけるにも彼女の年齢(71歳)では成功しない確率が高いと言われたそうです。痛みを少しでも和らげるために彼女は鎮痛剤を服用しており、この現金給付事業で受領したお金も薬代の一部に使ったそうです。
給付された現金の主な使い道としては、医療費の他に、食料品、家賃、光熱費などが、多くの人から挙げられました。
この現金給付はルーマニアだけでなく、ウクライナで国内避難民が多い、ドニプロペトロウスク州でも2023年8月より給付を行いました。

2024年3月からは、よりきめ細かなニーズに対応できるよう、ドニプロペトロウスク州で現金給付、ケースマネジメント、心理社会支援を組み合わせた事業を開始しました。現場からメッセージが届いています。
▼現金給付、ケースマネジメント担当者からのメッセージ(クリック/タップすると表示されます)
ケースマネジメントを実施することで、人々が抱える個々の課題をより詳しく聞き取ることができます。その課題を解決するために、専門機関に紹介したり、必要な現金を給付し、人々が少しでも安全に安心して生活できるよう支援しています。
この事業は、2024年5月からロシアの攻撃が激化し、一部が再占領地域となってしまったハルキウ州においても2024年11月より展開しています。
フェーズ03:復興支援
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ここまでご紹介した人道支援に併せ、GNJPは、ウクライナの復興に向けた支援も行っています。戦争により疲弊した地域の復興を支援することで、人々が元の地域に戻り、生活を立て直していくことが可能となります。
そこで、2023年3月からはウクライナ南部のミコライウ州にて、ロシアの攻撃により破壊された給水施設の修繕事業を実施し、4基の給水施設を修繕しました。

2024年からは、前年に起きたカホフカ・ダム決壊の影響を受けた地域で、さらに1基の給水施設の修繕を行っています。現場からのメッセージをご紹介します。
▼給水施設建設現場からのメッセージ(クリック/タップすると表示されます)
2023年にGNJPが給水施設を修繕した村では、修繕事業完了後も給水施設を安定的に稼働させられるよう、太陽光パネルが他の団体より寄贈されました。このように、重要なインフラを復旧していくことが、さらなる復興の原動力となります。
2024年には、このミコライウ州での給水施設の修繕に加え、より前線に近いヘルソン州において、攻撃などにより損壊した家屋の修繕を実施しています。また、2025年3月からは新たにミコライウ州において、主に女性を中心とした職業訓練事業を開始する予定です。
おわりに
現地スタッフよりメッセージ動画が届いておりますので、ぜひご覧ください。
これらの活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」、ジャパン・プラットフォーム、ゆうちょ財団および皆様からのご寄付にて実施しました。
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