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特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパン
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2026.09.15

【ウクライナ危機】ルーマニアで続く、子どもたちの「こころの回復」を支える支援

桑山先生、WHOファシリテーター、GNJPスタッフとファシリテーターの皆さん。提携団体Inimă De Copilにて、2026年7月撮影。

ウクライナ危機の長期化により、多くの人々が故郷を離れた生活を続けています。住まいや仕事、教育などさまざまな課題がある中で、見えにくい課題の一つが「こころのケア」です。 

グッドネーバーズ・ジャパン(GNJP)は、在ルーマニア日本国大使館の支援を受け、世界保健機関(WHO)ルーマニア事務所と連携し、ルーマニア国内に避難しているウクライナ難民の方々を対象に心理社会的支援(PSS)を実施しています。アートや遊び、対話などを通じて、自分の思いや経験を表現し、人とのつながりやこころの回復を支える取り組みです。 

2026年7月、NPO法人地球のステージ代表で精神科医の桑山紀彦先生が、ガラツィでの活動を終えブカレストへ移動する途中、GNJPの活動地を訪問されました。現地で行われていたPSSセッションを見学するとともに、ファシリテーターの皆さんと意見交換を行いました。今回は、その活動の様子をご紹介します。

写真から自分の物語を紡ぐ「フォトストーリー」 

訪問当日、桑山先生は現地ファシリテーターによる子ども向けPSSセッションを見学しました。この日の活動は「フォトストーリー」です。子どもたちは好きな写真を選び、そこから思い浮かんだ物語を自由に語っていきます。正解はありません。それぞれの視点で写真を見つめ、感じたことや考えたことを表現していました。 

セッションでは、亡くなったペットとの思い出を語る子どもの姿も見られました。また、戦争への怒りを繰り返し表現する参加者もいたといいます。ファシリテーターはそうした気持ちを受け止めながら、次のようなメッセージを丁寧に伝えました。 

「周囲に悲しみや苦しみがあふれているからこそ、自分の中にある優しさや善良さを守ることが大切」 

日頃、言葉にする機会の少ない思いや感情。子どもたちはこの日、それぞれの方法で向き合っていました。 

粘土に込めた「自分が隠したい気持ち」

続いて行われた青年グループのセッションには、桑山先生も参加者の一人として加わりました。

テーマは「自分のコンプレックスを隠せる場所」。参加者たちは粘土を使い、自身の不安や悩み、人には見せたくない気持ちを形にしていきました。 

青年グループの参加者と交流する桑山先生。提携団体Inimă De Copilにて、2026年7月撮影。

現地ファシリテーターによると、青年グループでは当初、粘土を使った活動に対して「子どもっぽい」という印象を持っていたそうです。しかし今回は「自分のコンプレックス」というテーマが加わったことで参加者の関心が高まり、普段以上に率直な対話が生まれたといいます。 

印象的だったのは、桑山先生ご自身が真っ先に作品を披露し、自らのコンプレックスを率直に語ったことでした。専門家が一方的に助言するのではなく、自身の経験を分かち合うことで、会場には自然と安心感が生まれました。それまであまり発言していなかった参加者が自ら積極的に対話へ加わり、他の参加者たちも作品とその背景にあるストーリーを共有していきます。互いの話に耳を傾け合う中で、率直な意見交換や自己理解、そして参加者同士の支え合いが生まれる時間となりました。

言葉や文化を越えて広がる「こころの支援」 

今回の訪問では、現地ファシリテーターとの意見交換も行われました。子どもや若者が安心して参加できる場をどうつくるか、活動をどう工夫するか――それぞれの経験を共有しながら活発な対話が交わされました。また、GNJPスタッフにとっても、PSSというアプローチが言語や文化の違いを越え、さまざまな国や年齢、背景を持つ人々に有効に機能することを、改めて実感する機会となりました。 

日本でも熊本地震や能登半島地震などを通じて、「こころのケア」の重要性が広く認識されるようになりました。 

災害や戦争で住み慣れた場所や日常を突然失うという経験は、人のこころに深い傷を残します。戦争によって故郷を追われた人々にとっても、安心して自分を表現し、人とのつながりを感じられる場は大切な支えです。 

GNJPはこれからも、避難を余儀なくされた方々に寄り添いながら、「こころの支援」を届けてまいります。 

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