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2025.06.20 活動報告

【世界難民の日】エチオピアで新たな難民キャンプの支援を始めました

支援対象のシェルコレ難民キャンプの様子(アソサ / 2023年10月)

6月20日は「世界難民の日(World Refugee Day)」。紛争や迫害により故郷を追われた人々に想いを寄せ、難民の尊厳と共生のあり方を考える日です。 
この日を迎えるにあたり、エチオピアで取り組んでいる難民支援活動をご紹介します。

エチオピアの西部アソサ地区は、南スーダンやスーダンから紛争を逃れてきた難民を受け入れています。グッドネーバーズ・ジャパンは2023年から、同地区最大のツォレ難民キャンプにおいて、自立のための生計創出支援や、難民と周辺住民が平和的に共存していくための信頼醸成を目指した活動を行ってきました。これらの活動は、難民を管轄する行政や警察、UNHCR、難民や周辺の村の代表者らから高い評価を受けました。
同地区にはこれまで活動したキャンプ以外にも2つのキャンプがあり、他のキャンプでも同様の活動を展開してほしいと行政から要請を受け、2024年12月から新たにシェルコレ難民キャンプで生計向上と平和構築の活動を開始しました。 


※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成を受け実施しています。


難民の自立とキャンプ周辺住民の収入向上のための生計支援   

多くの難民は援助機関による食糧配給に頼らざるを得ない状況で、生計を立てるための仕事が持てず、キャンプを出て自立する未来を描くことができません。小売店や商品の買い付け、喫茶店などを経営して、収入を創出できている人もいますが、このような仕事を始めるための初期投資や、十分な土地・スペースを確保することができないことが課題となっています。また、難民を受け入れている周辺の村々に住む人々も、そのほとんどは農業に従事していますが、生産性が低いことが課題となっています。
これをうけて、本事業では安定した生計手段を持たない難民および周辺の住民に対し、3つの種類の生計創出の機会(ヤギの畜産、養蜂および起業支援)を提供するとともに、周辺住民が貯蓄が貸付を行うことができる貯蓄信用組合という仕組みの強化のための支援を行います。 

家畜研修の様子(アソサ / 2025年3月)
ヤギを受け取った難民世帯(アソサ / 2025年5月)

2025年5月末までに、ヤギ畜産・養蜂・起業の全研修を終え、ヤギ畜産支援については、ヤギを調達後、全150世帯への配布を完了しました。また、養蜂支援については、養蜂開始に必要な資機材(養蜂箱や蜜蝋など)の調達を進めており、準備が整い次第、全80世帯へ配付予定です。起業支援については、研修後にビジネスプランの策定を行っております。貯蓄信用組合支援については、対象の組合選定を終え、今後運営のための研修や資器材提供を行う予定です。

難民と周辺住民の平和的共存に向けた活動

平和のための活動では、過去の事業と同様に、新しいキャンプでも難民と周辺の村々の代表者で構成される平和委員会を再活性化させ、彼らを中心に両コミュニティの間の対話や相互理解を促す啓発活動、平和のための交流イベントを行います。 

事業開始後、実際に平和委員会(現地ではNeighborhood Relations Committee、通称NRCと呼ぶ)のメンバーを再選出し、紛争解決や平和構築、リーダーシップなどをテーマにした能力強化研修を実施しました。その後、5月末現在までに、平和委員会メンバー間での平和的対話を7回、また平和委員会メンバー以外のコミュニティの住民や難民を対象とした啓発活動を4回開催しました。啓発活動では、平和的に共存することの大切さや盗難などのコミュニティ間でよく起こる犯罪についての正しい知識がコミュニティ内で普及することを目指しています。 

平和委員会への紛争解決研修(アソサ / 2025年2月)


4月には過去事業の対象キャンプの平和委員会のメンバーを招待し、主体的に平和活動に取り組んできたことや、それらを通じて信頼が醸成されてきたこと、コミュニティ間の争いが減少したことなど、新しいキャンプの平和委員会メンバーに対し、経験を共有するためのセミナーを催しました。
 

他キャンプ平和委員会との経験共有セミナー(アソサ / 2025年4月)   


今後も、継続的な対話や啓発活動を行いながら、より多くのコミュニティの住民や難民を巻き込んだ平和イベントの企画・実施などを、委員会のメンバーを中心に取り組んでいく予定です。

さいごに 

グッドネーバーズ・ジャパンは、本事業のような生計向上や平和構築の活動を通じて、難民の自立や周辺の難民受け入れコミュニティの負担を軽減するための支援を今後も行っていきます。

グッドネーバーズは2023年12月にスイス・ジュネーブで開催されたグローバル難民フォーラムで、下記のような宣言をしました。

「4年間で2,096万米ドル規模の支援を国内避難民、難民、受け入れコミュニティに対し行います。紛争や災害影響国において食料、現金、物資などの緊急支援から、持続可能な生計手段の提供、平和構築や社会統合促進を行うことで、HDPネクサス*に貢献します。これにより、計28万6千人の命と人権を守ることができます。」

*HDPネクサス(人道 Humanitarian ― 開発 Development ― 平和 Peace の連携Nexus):人道支援と並行して、難民の自立支援や受入国の負担軽減のための開発協力を行い、さらに根本的な原因である紛争の解決・予防に向けた平和の取り組みを進めるアプローチ。 


本事業は、この宣言の実現に寄与するものとなっています。グッドネーバーズ・ジャパンは、今後も避難民の自立と受け入れコミュニティとの共存を促す持続的な支援を行っていきます。 

今後とも、ぜひ、皆さまからの温かいご支援をお待ちしております。 

関連ページ

【エチオピア 命をつなぐ支援】南スーダン・スーダン難民への起業支援及び平和構築の取り組み 

【エチオピア】JPF「ソーシャルグッドタイムズ」で紹介されました

【エチオピア】難民と地域住民の共生と自立を支援:起業支援と平和構築の取り組み


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