世界中の子ども達に笑顔を。途上国の子どもの教育支援・緊急支援を行う国際NGOグッドネーバーズ・ジャパン

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2025.03.13 活動報告

【エチオピア 命をつなぐ支援】生計支援と住環境改善を通じたソマリア難民支援を行っています

家畜配付の様子(ファファン県シェデル / 2025年2月13日撮影)

エチオピアはアフリカ第二の難民受け入れ国で、南スーダンやソマリアなどから多くの難民を受け入れています。しかし難民の多くは安心して暮らせる住居がなく、雇用機会や経済的自立支援が不足しています。エチオピア東部のソマリ州には多くのソマリア難民がおり、住環境や生計手段の課題が深刻です。

グッドネーバーズ・ジャパンは、2024年3月から、ソマリ州にてシェルター建設と家畜提供を通じた生計支援を実施しています。中長期利用可能なシェルター建設を通じて難民の住環境改善と雇用創出を図るほか、家畜提供や畜産研修、組合設立支援を行い、難民とホストコミュニティ(難民を受け入れる側の地域住民)の経済的自立を目指します。

※本事業は、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」です。


収入の向上を目的とした畜産支援

本プロジェクトでは、より収入が少なく、生活が苦しい難民とホストコミュニティの400世帯を対象に、家畜(ヤギ)の配付を行っています。ヤギは、身近で飼いやすく、ソマリ州に多いムスリムの文化にも適しています。また、繁殖力が比較的高いため、子ヤギが生まれることで家畜の数を増やし、一部を販売することで継続的な収入を得ることが可能です。
これまでに約1400頭のヤギを配付し(2025年2月末時点)、事業が終わるまでに400世帯すべての家庭が5頭ずつヤギを受け取る予定です。

家畜を受け取った女性(シェデル / 2025年2月13日撮影)


またプロジェクトでは、家畜を配付するだけでなく、飼育に関する研修やマーケティングの研修を実施し、販売に必要な知識も提供しています。具体的には、家畜を病気から守る方法や餌の配合の仕方、新しく生まれた子ヤギを高く売る方法などを学び、生計を向上させることを目指しています。

畜産研修の様子(シェデル / 2024年8月28日撮影)
畜産研修を受ける女性たち(シェデル / 2024年8月28日撮影)


さらに、ヤギを受け取った人たち同士協働するグループの設立を支援しました。
これにより、困ったときには助け合い、各自のヤギをまとめて売ることでより大きな市場にアクセスする等、彼ら自身でリスクを低減し、サポートしあえる共助の仕組みができました。

これらの取り組みにより、難民やホストコミュニティの住民がより安定した生活を築き、地域全体の発展にもつながることが期待されています。

安全で快適な住環境を目指したシェルター建設支援

ソマリアとの国境近くに位置するアオバレおよびシェデルの2つの難民キャンプは、設立から17年以上も経っているにもかかわらず、未だに多くの家庭が布やプラスチックシートで覆われた簡易的な住居に暮らしています。

雨や風の影響を受けやすく、防犯面でも多くの不安を抱えています。また、子どもが多い家庭では、狭い部屋に10人ほどが生活することもあり、十分なスペースを確保できていないのが現状です。

このような状況を改善するため、現地の難民支援機関やUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のガイドラインに基づいた、より耐久性の高いブロック造りのシェルターを建設しています。

シェルターの基盤の作業を視察する様子(シェデル / 2024年11月28日撮影)


このシェルターは、2部屋を備えた構造となっており、従来の仮設住居と比べて強度が高く、雨風をしのぎながら安心して生活できる空間を提供します。ひとり親世帯や扶養家族が多い世帯、または障がいを持つ家族がいる世帯など、経済的に厳しい状況にある家庭を優先して対象世帯を選定し、2つのキャンプから30世帯ずつ、計60世帯分のシェルター建設を進めています。

屋根の設置が完了したシェルターの様子(ファファン県アオバレ / 2025年2月25日撮影)

難民キャンプで暮らすハリマさん(仮名)の声:新しいシェルターへの期待


2014年、ソマリアでの内戦から逃れ、家族とともにエチオピアのシェデル難民キャンプにたどり着いたハリマさん(仮名)。

「現在、13人の子どもを含む15人家族で暮らしています。 布やプラスチックシートで作られた簡易的な家だったため、雨が降ると屋根から水が漏れ、特に子どもたちにとって安全な環境ではありませんでした。」


そんな中、グッドネーバーズ・ジャパンの支援により、新しいシェルターの建設対象者に選ばれたことを知ったハリマさんは、次のように語ります。

「選ばれたと聞いたときは、本当に嬉しかったです。まだ家の屋根が完成していないのに、夫はすでに新しい家で寝ています。それほど嬉しかったのです。シェルターが完成すれば、雨風をしのげるだけでなく、家族が安心して暮らせる場所になると期待しています。」


しかし、ハリマさんの家族にはまだ多くの課題が残されています。

「家があることで生活は安定しますが、それですべての問題が解決するわけではありません。高校を卒業した子どももいますが、仕事が見つからず、大学へ進学する経済的な余裕もありません。難民としての生活は厳しく、ソマリアへ戻ることもできないのが現実です。」


それでもハリマさんは希望を失わず、戦争を生き延びたのだから、この試練も乗り越えられる、と前向きな姿勢を見せてくれました。

「私たちはこの支援に本当に感謝しています。でも、まだ支援を必要としている家族がたくさんいます。どうか、同じような状況にいる人々を助けてください。」



グッドネーバーズ・ジャパンは、これからもより多くの難民の方々が安心して暮らせる環境を整えるため、活動を続けてまいります。
みなさまの引き続きのご支援、どうぞよろしくお願いいたします。

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