世界中の子ども達に笑顔を。途上国の子どもの教育支援・緊急支援を行う国際NGOグッドネーバーズ・ジャパン

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収入向上支援

子どもが働かずに学校へ行くことができる。毎日家族が十分な食事を得られる。各家庭の収入向上は直接、子どもの未来に影響します。
グッドネーバーズは、途上国における主要産業である、農業、漁業、畜産に必要な技術研修を実施しています。住民の能力を強化し、生産性を高め所得の向上を目指します。また、青少年、成人、女性の就労・起業の可能性を広げるため、コンピューター、英語、裁縫技術などの技能訓練を通して人材育成に取り組んでいます。

世界の就労・収入に関する問題

  • 6人に1人(3億5,600万人)の子どもたちが1日1.9ドル(※)未満で暮らしています。
  • サハラ以南のアフリカがその3分の2を、南アジアの子どもが5分の1近くを占めています。

(※)世界銀行が2015年に制定した国際貧困ライン

World Bank Group and UNICEF/ Global Estimate of Children in Monetary Poverty : An Update/2020

グッドネーバーズの活動内容

収入向上支援では家庭の安定的な収入により、子ども達の生活環境を向上させるため、様々な事業を行っています。下記はその一部です。

職業訓練

現在、多くの途上国で都市部の経済が急速に発展する一方で農村部の発展は進まず、その格差が広がっています。そんな中、パソコンスキルや縫製技術などを習得することで、より安定した職に就くことができますが、農村部やスラムに住む人々にはそのような技術を身に着ける機会が不足しています。
グッドネーバーズはPC教室や縫製のほか、大工や美容などその国や地域で需要の高い職業のスキルを身に付けるための職業訓練を行い、若者や女性が家族を支えていくための支援を行っています。

プロジェクト事例 バングラデシュ

近年では「新興国」とも呼ばれるバングラデシュ。都市の経済が急速に発展する一方で農村部の発展は進まず、その差は開いていくばかりです。そんな中、若者に求められるのは、より安定した職に就くためのITリテラシーです。 しかし、すべての家庭にパソコンがあるわけではありません。パソコンのスキルを身につけたくても、特に農村部ではそのような設備や教室を見つけることは難しく、安定した仕事を見つける際の一つの壁となっています。
「先生の教え方が上手なので、わかりやすいです。」と話すのは、パソコン教室があると聞いて通い始めたモイナさん(当時23歳)。将来はNGOや、政府の仕事に就きたいと夢を語っていました。 このパソコン教室では、オフィス業務で必要となる基礎的なスキルを学びます。コースは3か月(週5日)で、修了生の中には銀行やNGO、保険会社に就職したり、起業する若者もいます。多くは大学生ですが、学校を退学してしまった生徒も通っており、自分の夢を実現するため日々熱心に学んでいます。

農業、畜産、漁業等の研修

途上国における主要産業である農業。人々は家族で代々土地を受け継ぎ、または借りた農地で作物を栽培したり家畜を飼っていますが、その多くが土壌改良や作物の管理、家畜の繁殖など専門知識がないために生産性が低くそのため収入もなく、さらに干ばつや洪水などの自然災害に脆弱であるなど、貧困から抜け出せない状況にあります。
グッドネーバーズは、米・野菜などの農業、畜産、漁業等の適切な知識や技術指導により、現地の住民が生活を安定させ、自立していくための支援を行っています。

プロジェクト事例 ネパール

「私たちの村は非常に貧しい。若者たちは貧困から逃れるため村を去り、子ども達はいつもお腹が空いた状態です。」(フムラ組合長 ソルザンブダさん)

ネパール中西部の山岳地帯にあるムグ、フムラ村は、ヒマラヤ山脈の標高3,000メートルに位置するハーブが育つ美しい村です。 しかし、村人は風邪薬として具合の悪い時に利用するのみで、そのハーブの価値を活かせていませんでした。
天然ハーブは適切に管理しないと、継続的に収穫することが困難です。グッドネーバーズ・ネパールは、村人にハーブ栽培を指導したり、適正な価格で売るためにどのようにハーブを売り、収入を得るかを協同組合を作って決められるように支援しました。 収穫したハーブは、オイルを抽出したり、お茶、キャンドル、化粧品など様々な商品に加工して販売します。今、このハーブは、ムグ、フムラ村の乾いた過酷な環境の高山地帯でも育つ、村の唯一の収入源となりました。

マイクロファイナンスによる融資

農村部の貧困地域の人々が「貧困のサイクルを断ち切るために起業したい」、「農業の生産性を上げ収入を得るために新しい作物を栽培したい」と考えても、通常の銀行は利子が高すぎたり、彼らの生活圏から遠すぎたり、また担保がなく融資を受けられないなどの理由から初期費用を捻出することができません。マイクロファイナンス(小口融資制度)は、主に貧困状態にあり融資可能でない人々を対象に小額の融資(ローン)を提供するシステムで、世界各国で様々な手法で銀行やマイクロファイナンス機関が実施してるものです。
グッドネーバーズも、非常に低金利の小規模融資制度を行っており、支援する子どもの家族(主に母親)の中から参加と収入向上への意欲を確認した人々を対象に企業や就労のための融資を行っています。また、資金を融資するだけではなく、それぞれの地域や人々に適した知識や技術を提供しています。実施する国によりますが、基本的に融資やその返済等の管理は、グッドネーバーズが支援する地域の組合により運営されています。

プロジェクト事例 エチオピア

エチオピア、オロミア州のヘトサ地域では、2010年から支援する子ども達の家族を対象に収入向上プログラムを実施しています。これは155世帯に対し、無利子のローンを3期に分けて貸与する事業です。
アユシェクさん(41歳)は16歳で結婚し5人の子どもを授かりましたが、日雇い労働者の夫の一日の収入は約1.14ドルと少なく、子ども達を学校に通わせるだけのお金がありませんでした。
生活を良くしていく決意の固かった彼女は収入向上支援の対象となり、まず54ドル(当時のレートで4460円)が貸与され、そのお金を使って1頭12ドル(同990円)の子羊を3頭購入し、残りは飼料に使いました。3頭は2カ月後に子羊を産み、計6頭となりました。彼女は1頭を43.85ドル(同3620円)で売り、更に3頭を購入する方法でお金を増やし、土地を借りて玉葱を植え、市場で売って収益を上げました。
その後、彼女は学校の近くに小さな日用品店を開店するに至りました。さらにこの店の隣にコーヒーと紅茶を出すカフェも開き、大成功を収めました。 この地域で働く女性が稼げるのは平均1日$6(同495円)ですが、彼女の店では1日$13(同1075円)の収益を上げています。家族も生活に困ることなく、子ども達も学校に通えるようになりました。そして彼女の家族にはグッドネーバーズによる支援は必要なくなり、実際支援は終了しました。

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