【モザンビーク・ガザ州】3年間に渡る水衛生事業を終了しました

グッドネーバーズ・ジャパンは、モザンビーク共和国ガザ州の3郡にて、3年間に渡る水衛生事業を終了いたしました。
ガザ州の農村部にて安全な水へのアクセスの向上、世帯トイレの普及、野外排泄ゼロをはじめとする衛生啓発活動を通し、コミュニティの水衛生環境の改善に取り組みました。
地域に根づく変化をめざして 給水・トイレ整備とCLTS(住民主体の衛生改善アプローチ)の成果報告
【地域】給水施設の建設および修繕
ガザ州の農村部には、安全な水へのアクセスがなく不衛生な川や沼の水を生活用水として利用している
地域があります。そのような地域にて給水施設の建設および故障していて使えなくなった給水施設の修繕を3年間で計12基行い、計21,302人の住民が安全な水へのアクセスができるようなりました。
3年次の事業地マバラネ郡では、以前は33%の人々が1時間以上かけて水を汲みに行っていましたが、給水施設建設後はそれが4%のみに改善したほか、30分以内に安全な水へのアクセスがある世帯が、40%から76%に増加しました。
5つの対象コミュニティのうち、2コミュニティは給水施設がなく近隣のコミュニティに水を汲みにいかなければならなかったため、時間もかかった上に主な水源は川と沼でとても不衛生な水でした。
この2コミュニティに新しい給水施設が建設されたことにより、安全な水へのアクセスが格段に改善しました。
【学校】トイレ建設および衛生啓発活動
トイレがない学校では、生徒たちのはトイレに行くために家に帰ったり校舎の裏で野外排泄をするしかなく、学校が不衛生で勉強への集中も欠く環境にありました。
グッドネーバーズ・ジャパンは3年間で計17校にて学校トイレを建設し、計5,027名の生徒たちが学校でトイレに行けるようになり、衛生的で勉強にも集中できる環境が整いました。

加えて、学校では衛生啓発活動を実施し、手洗いやトイレを使うこと事の重要性を伝えるほか、新しく建設したトイレの清掃方法をレクチャーしました。世界手洗いデー、トイレの日、水の日に合わせてイベントを実施し、3年間で延べ6,433名の生徒が参加しました。

3年次の事業地マバラネ郡の対象校2校では、学校トイレの建設後に99%の生徒が新しい学校トイレを使いたいと答えました。また、「手をせっけんを使って洗う」と答えた生徒が46%から86%に増加し、衛生啓発によりせっけんを使った手洗いの大切さが伝わり、生徒たちの衛生行動が改善されました。
【家庭】CLTSを用いた啓発活動と世帯トイレの普及
農村部の住宅の多くは手作りのレンガや茅葺き屋根で作られており、トイレも当然住民が作らなければなりません。トイレは3メートルほど穴を掘る必要がありとても重労働です。
一方、家の近くには木々が生い茂り、人目を気にせず用を足せる場所はたくさんあります。加えて、野外排泄をすることで土壌汚染やハエによる細菌の媒介につながるという知識不足により、住民の野外排泄は日常化していました。
そのような地域にて、Community-Led Total Sanitation (CLTS)手法を用いた野外排泄ゼロを目指す衛生啓発活動と世帯トイレの普及を行いました。
CLTSの中でも重要な活動であるトリガリングセッションには、3年間で計2,333名のコミュニティ住民が参加しました。

※CLTS活動およびトリガリングセッションの様子はこちら
トリガリングセッションを行ったのち、世帯トイレの普及を目指し、各コミュニティ住民の中から毎年20名ずつトイレの床板を作成する職人を育成しました。
こうすることで各コミュニティに技術移転がなされ、グッドネーバーズ・ジャパンの事業終了後も必要に応じて新しく世帯トイレを建設することが可能になりました。

※床板パーツの作成研修の様子はこちら
職人が作成したトイレ用床板を世帯トイレ用の穴を掘った家庭に配付し、世帯トイレの普及を推し進めました。
その結果、3年間で計3,920世帯の世帯トイレが整備されました。
世帯トイレが整備されたのちも、事業スタッフがトイレの清掃や蓋をすることの重要性を伝えるなど細かな啓発活動を続けることで、世帯トイレ使用が定着するよう活動しました。
中央政府、州政府そして郡政府の職員による評価視察を経て、3年間で計17コミュニティで野外排泄ゼロ審査をクリアしました。

地域住民と一緒に乗り越えた課題
ガザ州計3郡で事業を実施した3年間では、多くの課題に直面しました。
事業終了間際にサイクロンが直撃し活動を中断せざるを得ず、さらに建設した世帯トイレの壁部分が崩壊してしまいました。住民は再建を余儀なくされましたが、そのコミュニティは熱心に取り組み、最終的に野外排泄ゼロ審査のクリアに成功しました。
また、世帯トイレの必要性を伝えることに苦戦した時もありました。
多くの家庭では家に関する決定は家長が担っており、世帯トイレの整備についても家長の許可が必要です。
その家長が長年屋外排泄で生活してきても大きな病気をせずに元気に暮らしてきたため、どれだけ健康被害や衛生面の問題を訴えても納得してもらえず、説得に時間がかかったケースもありました。
この時は、現地スタッフが根気よくコミュニティリーダーと共に時間をかけて説明した末に、世帯トイレの整備に理解を示してくれました。
グッドネーバーズ・ジャパンの現地駐在員と10名ほどの現地スタッフが、モザンビーク国ガザ州の人々の生活様式を理解しながら、一緒に環境改善をしていく3年間でした。
当事業は終了しますが、グッドネーバーズ・ジャパンは引き続きモザンビークにて活動していきます。
温かいご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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