【エチオピア 命をつなぐ支援】北部ティグライ州の紛争被災者に対する生計回復支援事業が完了しました

エチオピア北部のティグライ州では、2020年から2022年11月まで約2年にわたって紛争が続き、多くの道路や水道、医療・教育施設といった基礎的なインフラに加え、家畜や農具など人びとの大切な資産や生計手段が大きな被害を受けました。
紛争終結後も、約96万人の国内避難民が地域に戻った一方で、2024年11月の事業開始当初は80万人以上が避難生活を余儀なくされている状況でした。
農業分野では、多くの小規模農家が作物や農具を失い、畜産においても牛や羊、ヤギ、鶏、養蜂箱が大量に失われたことで、生産活動は大きく落ち込みました。その結果、収入の減少と食料生産の低下が重なり、さらに食料価格が高騰し地域全体が深刻な状況に直面しています。
グッドネーバーズ・ジャパンは、このように人道的な支援ニーズが今なお高い状況を受け、生計回復による早期復興が重要課題とされている地域の一つであるエンデルタ郡において、支援を実施しました。特に被害の大きかった5つの村を対象に、畜産や養蜂、養鶏といった生計手段の回復と、住民同士が支え合う貯蓄信用組合の機能回復を通じて、紛争以前の経済活動を取り戻すことを目指しました。
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成を受け実施しています。
家畜支援を通じた、生計の再スタート

本事業では、紛争によって収入の手段を失った世帯に対し、地域の暮らしに根ざした畜産を中心とした生計回復支援を行いました。ヤギまたは羊を240世帯に、鶏を310世帯に、養蜂に必要な道具を100世帯に届けました。
支援を行う世帯の選定にあたっては、村や郡の行政、農業の担当者が話し合いを重ね、合意を大切にしながらできるだけ公平性に配慮して進めました。また、事前に各世帯の生活状況を確認し、事業期間中も定期的な訪問を行うことで、家畜の健康状態や暮らしの変化を丁寧に見守りました。

家畜を提供するだけでなく、飼育方法や病気を防ぐための知識を身につけてもらうことも重視しました。郡の農業担当者が講師となり、日々の世話の仕方や衛生管理について、実際の作業を交えながら分かりやすく説明しました。提供された家畜にはすべて予防接種を行い、大きな病気や損失が起きないよう対策を講じました。その結果、すべての対象世帯で家畜を通じた生計の再開が確認され、当初の目標以上の成果を達成することができました。

家畜の飼育や養蜂、養鶏によって得られる収入は、裨益世帯の暮らしを少しずつ支えるようになりました。ヤギや羊が増えることで資産が蓄えられ、鶏卵や雛、はちみつの販売によって現金収入を得られるようになった世帯も多く見られました。

また、家畜の世話は、紛争前から続いてきた生活の一部でもあります。再び家畜を飼うことで生活のリズムが戻り、家族で役割を分担しながら日々を過ごせるようになったという声も聞かれました。将来に対する不安が和らぎ、心の落ち着きを取り戻した人びともいます。
※エチオピア北部紛争により失ったヤギを2年間探し続けた男性が心を取り戻した記事はこちらからお読みください。
貯蓄信用組合の再建による、次の一歩への支援

生計を一時的に立て直すだけでなく、継続的に生活や生業を支える仕組みをつくるため、本事業では地域の貯蓄信用組合の再建にも取り組みました。貯蓄信用組合とは、地域の住民が少額ずつお金を出し合って貯め、必要なときに組合員同士でお金を貸し借りできる、地域に根ざした助け合いの仕組みです。銀行のような大きな金融機関が利用しにくい地域でも、生活や仕事を支える重要な役割を果たしています。

紛争によって活動が止まっていた5つの組合に対し、組合を運営する人びと計115名への研修を行い、机や帳簿、文具などの必要な備品を提供しました。あわせて、貸付を再開するための資金も用意し、地域の中で再び助け合いができる環境を整えました。その結果、事業終了時には3,125世帯が貯蓄や貸付の仕組みを利用できるようになりました。
組合の活動が再開したことで、人びとは収入の一部を少しずつ貯められるようになり、必要なときには資金を借りて生計を広げられるようになりました。養鶏の規模拡大や家畜の追加購入、農作業に必要な資材の調達などに活用され、少なくとも79人が貸付を通して、新たな取り組みを始めています。事業期間中には、5つの組合全体で約118,000ETB(約12万円)の貯蓄が集まり、人びとが将来に向けて備える行動を取り戻しつつあることが確認されました。
これからも、ティグライの人びとと共に
本事業は2025年9月をもって終了しましたが、グッドネーバーズ・ジャパンは、同じティグライ州で引き続き支援を続けています。
本事業を通じて、家畜を中心とした生計の立て直しと、地域で支え合う仕組みの回復を達成することができました。得られた収入は日々の暮らしを支えるだけでなく、貯蓄や貸付を通じて将来への備えや新たな挑戦へとつながっています。
また、地方行政や農業の担当者、地域の代表者と協力しながら進めたことで、支援の対象となる世帯の選定から、研修、家畜の提供、その後の見守りまで、地域の人びと自身が関わる取り組みが実現しました。こうした関わりを通じて、地域の中に信頼関係が育まれ、人びとが自ら話し合い、協力しながら復興に取り組む力も少しずつ取り戻されています。

グッドネーバーズ・ジャパンは、現地パートナーであるグッドネーバーズ・エチオピアと協力しながら、こうした成果を土台として、人びとが再び主体的に生活を営み、地域全体が持続的に発展していけるよう、今後も寄り添った支援を行ってまいります。引き続き、こうした取り組みを支えてくださっている皆さま一人ひとりの温かいご支援に、心より感謝申し上げます。
皆さまからのご寄付は、紛争や災害の影響を受けた人びとが再び自分の力で暮らしを築いていくための大きな支えとなっています。今後も、現地の声に耳を傾けながら、必要とされる支援を継続していくため、変わらぬご理解とご協力を賜れますと幸いです。
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