世界中の子ども達に笑顔を。途上国の子どもの教育支援・緊急支援を行う国際NGOグッドネーバーズ・ジャパン

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2025.10.23 活動報告

【エチオピア 命をつなぐ支援】平和と自立を支える若者の歩み

将来の計画を話すアブシュさん(2025年7月)

グッドネーバーズ・ジャパンは、2023年からエチオピア南部のゲデオ県と西グジ県で、生計向上支援と民族間の共生を支える平和構築事業を実施しています。

この地域では2018年に民族間の紛争が発生し、多くの人々が家や土地、生計手段を失い、避難生活を余儀なくされました。もともと教育や水、農業などの社会サービスが十分に行き届いていない地域のため、干ばつや武装勢力の影響も重なり、生活の再建は容易ではありません。さらに、紛争を経験した住民の間には、今でも相手民族に対する不信感が残っています。 

このような状況の中で、再び生活を立て直し、異なる民族同士が支え合う社会を築くには、「収入を得て生活を安定させること」と「地域のつながりを再生すること」の両方が大切です。本事業では、農業を中心とした生計向上支援と、民族を超えた協働の促進を通じて、地域の安定と持続可能な平和の実現を目指しています。  

※本活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の助成を受け実施しています。

挫折から始まった再出発

アブシュさんは、ゲデオ県ハルムフォ村に暮らす20歳の若者です。2023年に高校(現地の12年生)を卒業し短期大学に入学しましたが、家庭の農作業が忙しく通えませんでした。また、その年、政府の青年向け貸付制度を利用し、養鶏事業を始めましたが、感染症の流行により730羽のブロイラー(肉用鶏)すべてを失ってしまいました。残ったのは、20万ブル(約21万5,000円)の貸付金の返済義務だけでした。 

エチオピアの平均年収は約15万円と言われており、この借金の返済はとても大きな負担となりましたが、彼は諦めませんでした。グッドネーバーズ・ジャパンによる支援により能力が強化された政府の農業担当員のアドバイスを受けながら、次は野菜栽培に挑戦しました。0.125ヘクタールの畑でキャベツを育て、じょうろで水やりをしながら丁寧に手作業で世話を続け、初めての収穫で32,000ブル(約34,400円)の収入を得ることができ、この経験が彼に自信と希望を与えてくれたそうです。 

アブシュさんが育てたキャベツ(2025年7月)

支援と学びを力に、広がる農地と増える収穫

2024年、グッドネーバーズ・ジャパンはアブシュさんを含む、特に経済的に厳しい状況にある300世帯の農家を対象に、年間を通じて安定した収穫と収入が得られるよう、農地へ水を運ぶためのウォーターポンプを計100基提供しました。各ポンプは3世帯が1グループとなって共同利用しています。(※現地メディアにて紹介されました) 

ウォーターポンプを受け取った農家は、3日間の実践的な研修に参加し、コンポスト(堆肥)の作り方や土壌改良、栽培技術の向上について学びました。アブシュさんも自身の畑で実践した結果、キャベツの育ちが目に見えて改善したことを実感したそうです。 

ミミズを増殖させた質の高いコンポスト(堆肥)(2025年7月)


これまでのような手作業では困難だった農地の利用も、ウォーターポンプの導入で可能となり、0.125ヘクタールだった栽培面積を0.5ヘクタールまで拡大できました。「グッドネーバーズ・ジャパンの支援がなければ、こんなに農地を広げることはできなかったと思います」とアブシュさんは語ります。
そして2025年6月の収穫期には、これまでの約4倍にあたる120,000ブル(約12万9,000円)の収益を得ることができました。また、アブシュさんの努力が認められ、隣接する政府管轄の空き地を農地として使用することが許可され、彼は今キャベツの増産やコーヒーの苗の準備を進めています。   

コーヒーの苗を育てるアブシュさんの畑(2025年7月)

地域を支える若者として

アブシュさんの挑戦は、ひとりの成果にとどまりません。彼のように自ら考え、学び、行動する若者が地域に根づくことで、困難な状況でも支え合い、前向きに生きようとする力が地域社会で広がっていきます。「恩返しとして、これからは 周りの若者にも農業のコツや収穫量を上げる方法を伝えていきたい」そう語る彼の姿からは、自分の経験を分かち合い、地域とともに成長していきたいという強い意志が感じられました。 

生計が安定することは、将来への不安や対立心を和らげ、民族間の対話や協力が生まれるきっかけになります。私たちは、そうした小さな積み重ねが、民族間にある不信感の壁を越えていく一歩になると信じています。命をつなぐ農業は、人と人との関係を築き、地域に安心と希望をもたらす力を持っています。アブシュさんのように未来を切り拓こうとする若者の存在が、その証です。

こうした取り組みは、皆さまからの温かいご寄付とご支援によって支えられています。今後もグッドネーバーズ・ジャパンは、地域の人々が安心して暮らせる社会の実現に向け、現地の人々とともに歩みを進めてまいります。引き続きのご理解とご協力を賜れますよう、心よりお願い申し上げます。  

ウォーターポンプを配布した際の様子(2024年11月)

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