世界中の子ども達に笑顔を。途上国の子どもの教育支援・緊急支援を行う国際NGOグッドネーバーズ・ジャパン

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2022.04.15 活動報告

OWNDAYS株式会社様とメガネを届ける支援活動を実施しています

グッドネーバーズ・ジャパンは、2020年12月より、メガネブランド「OWNDAYS」様と共同で「ひとり親支援プロジェクト」を開始し、「グッドごはん」利用者であるひとり親家庭の満7歳~満18歳未満の子どもを対象に、メガネを届ける支援活動を実施しています。

グッドごはん利用者がメガネ支援で受け取ったメガネ

今回、メガネ支援を受けたグッドごはん利用者にアンケート調査を行ったところ、たくさんの喜びの声や視力が上がったという声が届きました。

また一方で、視力が低下しても子どもにメガネを買うことができないひとり親家庭の「経済的背景」や、ひとり親家庭の貧困によって生まれる「健康格差」、「教育への影響」が明らかになりました。

メガネ支援の成果

メガネ支援による子どもの視力の変化

支援前後の子どもの視力についての設問では、学校健康診断での視力検査「ABCD」の4段階評価の結果を参考に回答していただきました。

すると、支援前は「前の方の席でも黒板の文字がやや見えにくい(C)」・「一番前の席でも黒板の文字がほとんど見えない(D)」が全体の79%を占めていたのに対し、支援後はその割合はたった8%に減り、「一番後ろの席でも黒板の文字がよく見える(A)・一番後ろの席では黒板の文字がやや見えにくい(B)」が全体の86%になりました。

選んだメガネをつける子どもたち
選んだメガネをつける子どもたち

「子供が気に入った眼鏡を着けることが出来てとても明るい気持ちで生活できるようになりました。」

「よく見えるようになり、目が疲れなくなったと喜んでいます。」

「黒板が見えやすくなり、授業に集中出来る様になりました」

「見えない、が理由にならなくなった」

「勉強も部活も問題なく参加できるようになりました。」

「子どもが見えやすくなりとても嬉しそうで、また、友達からも自分が選んだメガネを素敵だと褒めてもらえたようで照れながらも喜ぶ姿が見られてこちらも幸せな気持ちをいただくことができました。」

支援後についてのコメントからは、本メガネ支援を受けたことによって、単に子どもの視力を上げるだけでなく、それに伴って子どもが集中して思い切り学んだり、親子が明るく笑顔で過ごしたりするためのきっかけになったことが伺えます。

なぜメガネ支援が必要なのか

「度が合わず、見えづらいため姿勢が悪かった。」

「クラブ活動をやって居た時に、ボールが見えなかった」

「学校ではよく転び、怪我が絶えませんでした。」

「前の席でも黒板の文字が見えにくく、授業に集中ができない。黒板の文字をノートに書くのが時間がかかる。」

「持っていた眼鏡のレンズが外れて壊れているためセロテープで補強していました。ですので学校でつけることができなかったんです。」

ほとんどの家庭が、支援以前からメガネが必要な状況にあったと言います。買いたくてもメガネが買えない事情がそこにはありました。

メガネが必要にもかかわらず購入できなかった理由については、78.5%が「経済的余裕がなかった」と回答しており、ひとり親家庭の厳しい経済状況が改めて明らかになりました。また、「時間的余裕がなかった」「精神的余裕がなかった」という回答も少なくなく、ひとりで育児や家事、仕事をしなくてはならないひとり親の生活の厳しさが浮かび上がりました。

経済的事情を考慮して、子どもが言い出せずに我慢していたという家庭もありました。

「度が合わなくなってかなり見えにくかったのに、買い替えを言い出せずに我慢していたそうです。」

「良く見えない、でもいいやと言ってずっと使っていました。眼鏡は高いし、いいよと我慢してくれてた部分も有ったと思います。」

「支援の話をしたらメガネが欲しかったと言われて、何故言わなかったの?と聞いたら私が大変なのを知っていて言えなかったとわかりました。」

「度が合っていなかったが、気を使って黙って使用を続けていた。」

グッドネーバーズ・ジャパンが2021年3月~5月にかけて行ったひとり親家庭の収入に関する調査では、グッドごはん利用世帯の約50%は1か月3万円以下、1日に換算すると1000円以下の食費で暮らしていることが分かりました。このような切り詰めた状況の中、メガネにまでお金を回す余裕がないということは想像に難くありません。

ひとり親家庭の多くは女性であり、非正規雇用で働いています。仕事を掛け持ちしている方もいます。ひとりで家事・育児・仕事に追われて時間的にも精神的にも余裕がない中で、メガネを買いに行くことのハードルが高くなっていると考えられます。
さらに、子どもが家庭の経済状況を気にして「メガネが欲しい」と言い出せず、必要であることに気づいていなかったという声もありました。

子どものこころと身体を支えていくために

2020年に大田区が行った「子どもの生活実態に関するアンケート調査」によると、生活困難層は非生活困難層に比べて健康に課題を抱えているということが明らかになっています。(参考:令和3年版「大田区子どもの生活実態に関するアンケート調査報告書」)

経済的時間的に余裕のないひとり親家庭では、子どもの健康にまで手が回らなくなってしまう状況が予想されます。

今回のメガネ支援は原則1人につき1回ですが、支援を受けた方々の声で、「子どもの視力はすぐに低下してしまうため、複数回支援できるようにしてほしい」というものが少なくありませんでした。視力が低下してしまってからその矯正のための支援をすることも大切ですが、ひとり親家庭の子どもの「健康格差」が起こってしまう原因にも目を向けなければなりません。

ひとり親家庭とその他の家庭の経済格差・健康格差・教育格差などは相互に関係しており、どれかひとつが改善されれば問題がなくなるわけではありません。

グッドネーバーズ・ジャパンは、ひとり親家庭の親子が困窮する今を乗り切り、子どもたちが自ら未来を切り開くための支えになれるよう、これからも支援を続けていきます。


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