中国四川省大地震・緊急支援活動 最終報告 (2008年8月13日)
※この募金は終了しました
2008年5月12日、中国四川省でマグニチュード7.8の大地震が発生し、死者6万9185人、行方不明者約1万8467人の大きな被害をもたらしました。
事業対象地域 : 綿竹市広済鎮地域、徳陽市玉泉地域、徳陽市金山街地域。
事業内容 :
被害調査、市場調査、物資配布、子どもの心のケアプログラム、保健衛生、学校教育支援、学校図書館建設事業。
事業期間 : 2008年5月14日~2009年8月
初動対応・調査 :
グッドネーバーズは5月14日から緊急活動調査員を派遣し、被害地域調査、市場調査、物資運搬経路などの被災地調査活動を行い緊急支援活動開始。グッドネーバーズの緊急支援活動は、中国紅十字及び中国政府から活動の許可が下りています。
1. 四川省綿竹市広済地域における緊急支援活動
綿竹市広済地域の被災地における活動ポイント
一.被災者への物資の配布:食料や生活用品、子どもたちへの学用品など、支援を必要とする被災者へ支援物資の配布活動を行う。
二.子どもの心のケアプログラム:被災した子どもの心理的ショックを和らげることを目的として子どもの「子どもテント」を設置。
被災地では、被災の悲しみと先の不安を抱えながら、人々が避難生活を送っています。グッドネーバーズは広済鎮地域農村部で暮らす被災者へ食糧や生活用品、子どもたちへの学用品など、必要なものを必要な場所へ届けるため、緊急支援物資配布の活動を行いました。
中国政府からの支援は当初、死傷者数の多い被害地域から支援の手が延びていきましたが、人口の少ない農村部は死傷者の数が少ないため支援が後回しになってしまう状況にありました。私たちグッドネーバーズは、そうした支援物資が行き渡っていなかった農村部で、活動を開始しました。
被災後、人々はストレスを抱えながら苦しい状況の中で過ごしています。子どもたちも大人たち同様に、精神的に大きなストレスと不安を抱えています。子どもを持つあるお母さんは、「地震後、子どもが夜になると怖くて泣くようになってしまった」と話します。幼稚園の園長先生は、「災害後、先生たちが村で子どもたちに会っても、子どもたちが先生を避けるようになってしまった」と不安げに話していました。
ある子どもは、言葉数が減り、外へ遊びに行かなくなってしまいました。
ある子は、人と会うことを嫌がるようになりました。
ある子は、夜を怖がるようになりました。
今回の地震は、建物の破壊だけではなく、子どもたちの心に大きな傷跡を残していきました。
被災後、笑顔を失くしてしまった子どもの心、子どもの悲しみを一日も早く喜びに変え、子どもたちの笑顔が取り戻すことができるよう、子どもの心のケアプログラムを実施しました。
(1)緊急支援物資配布活動
活動地域 : 四川省綿竹市広済鎮地域
支援対象者数 : 2000名
支援物資の内容 : 米4.8トン、油2,280ml 水ペットボトル16800本、ラーメン50箱、塩30箱、おかず類20箱、牛乳・粉ミルク10箱、消毒用品3箱、生理用品6箱、ティッシュ17箱、歯ブラシ・歯磨剤15箱、香取蝉高10箱、石けん15箱、台所洗剤10箱、ライター5箱、医薬品650個、タオル2000枚、女性用下着600着、消毒剤5箱、布団600個、ロウソク600本、茶300箱、調理道具150、蚊帳20、洗剤36箱、大人服200着、子ども服800着、学用品400セット
緊急支援物資配準備の様子
(2)子どもの心のケアプログラム
対象地域 : 四川省綿竹市広済鎮地域
プログラム対象児童数 : 被災児童300名
事業期間 : 5月31日~6月3日
広済鎮地域の358人が住む小さなコミュニティで、子どもたちが集えるスペース「子どもテント」を設置、学習活動が実施されました。また、子どもテントでは、本を読むことが出来るスペースも設置しました。子どものプログラムでは、子どもたちがグループになり、絵を描いたり、折紙をしたり、輪飾りを作りました。皆で協力して一緒に作った折紙、輪飾り、絵などをテント内に飾りました。プログラムの最後には、健康・衛生の啓発が行われました。
子どもたちが、震災により抱えているストレス・不安を少しでも発散できるよう組まれたボールゲームでは、子どもたちから大きな歓声が上がりました。
テント内で使用した物 : 本棚1、本104冊、おもちゃ、カラーペン、折紙、ノート
学用品配布の内容 : 学用品セットを子どもたちに配布しました。
*10歳以下の学用品セット : 算数用ノート5冊、国語用ノート5冊、鉛筆5本、鉛筆削用ナイフ(こちらの先生は子どもたちに鉛筆削りではなく、鉛筆削用ナイフの使用を進めている)、消しゴム2つ、くまのキーホルダー。*10歳以上の学用品セット: A4ノート2冊、ボールペン2本、くまのキーホルダー
-地域児童プログラム-
中国では震災後6月1日を「子どもの日」としました。各地の小・中学校では、子どもたちのためのプログラムが組まれました。グッドネーバーズは6月1日の子どもの日、地元幼稚園の先生と協力し、同地域に暮らす7歳未満の子どもたちを対象に「地域児童プログラム」を開催しました。プログラムは、建物の破損から免れた幼稚園の校庭で行われました。 同幼稚園通う子どもたち、他の保育園に通う子どもたちと先生が一斉に集まり、子どもたちによるお遊戯や歌の発表、ダンスタイムなど2時間に渡り行事が行われました。また、プログラム最後には、子どもたちへ学用品配布を行いました。
学用品配布物 : 学用品セット(ノート1冊、鉛筆ケース1つ、かばん)350セットを用意しました。
2.四川省徳陽市玉泉地域における活動
事業対象 : 四川省徳陽市玉泉学校
支援対象者数 : 被災児童1500名
事業内容 : 徳陽市玉泉学校の仮設学校に対し教育機材の支援を行い、仮設学校開校を早急に進める効率的な授業を行うことを目的とする。
支援内容 : 椅子・机1500セット、教室黒板35個、教師用机・椅子150セット、本棚3
3.事業実施費内訳
事業内容 | 項目 | 中国 | 備考 |
---|---|---|---|
緊急支援チーム派遣及び活動費 | 航空券・保険料 | 4,696USD | |
現地活動費 | 8,463USD | 宿泊費、滞在費、食費 | |
活動サポート費 | 1,120USD | 国際本部拠出 | |
緊急支援事業費 | 支援物資 | 29,837USD | 食糧品及び生活必需品 |
教育支援 | 31,833USD | 教育機資材、学用品 | |
寄付品 | 寄付品運送費 | 11,800USD | テント |
合計 | 87,749USD |
4. 今後の事業計画 : 教育支援事業
グッドネーバーズは、四川省徳陽市教育庁の要請を受け、学校図書館建設及び学校教育支援を行います。
事業 : 学校再建支援(図書館建設・書籍支援)事業
事業対象 : 四川省徳陽市金山街小学校
事業場所 : 四川省成都から車で北へ3時間30分の場所
裨益者 : 金山街学校生徒600名及び学校周辺地域児童
事業名 : 中国四川省大地震被害・学校図書館建設・書籍支援事業
対応:現地では、広範囲な地震被害により学校再建まで相当な時間と費用がかかる状況にあります。グッドネーバーズは、徳陽市教育局の要請を受け、学校図書館及び書籍支援を通し、学校再建支援事業を行っていきます。
事業期間: 1年間 -2008年7月~2009年8月-
協力機関: 徳陽市教育局
事業計画予算:
事業内容 | 項目 | USD |
---|---|---|
学校図書館建設・書籍支援 | 図書館建設費 | 70,000USD |
書籍費 | 20,000USD | |
モニタリング費 | 3,000USD | |
合計 | 93,000USD |