世界中の子ども達に笑顔を。途上国の子どもの教育支援・緊急支援を行う国際NGOグッドネーバーズ・ジャパン

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2015.06.19 人道支援

マラウイ洪水緊急支援 活動状況(6月19日)

配布内容と対象世帯

5月23日から25日の3日間で、下記の物資配布を実施しました。

グッドネーバーズ・マラウイのスタッフ達と

【対象世帯】
パロンベ地区チワロ内の全9か所から、深刻な洪水被害を受けた556世帯を選定。(特に支援を必要とする妊娠中または授乳中の女性や、高齢者、体が不自由な人がいる世帯)

【配布内容】
食糧: トウモロコシ粉100kg、豆20kg、食用油5L、砂糖3kg、塩1kg 生活用品: 毛布2枚、蚊帳2張、鍋2個、コップ・皿各10個、ナイフ・木べら各1本、リチェロ1枚(トウモロコシの選別に使用するザルのような物)
衛生用品: バケツ1個、入浴用石鹸9個、洗濯石鹸8個、生理用コットン500g 家屋の建築材料:ビニールシート2m×30m、釘1kg

バケツ、鍋、蚊帳、毛布、ビニールシート

モニタリングを実施

グッドネーバーズ・ジャパンは、5月26日から28日にかけ、洪水で被災して物資を受け取った世帯を訪問し、食料や生活用品などがどのように使われているかモニタリングをしました。
避難所を出たほとんどの世帯は親戚や知り合いの家を間借りしており、小さなスペースで家族全員が暮らしています。新しい家はもちろん必要ですが、今を生きるための食料や生活用品にお金を使わねばならない状況で、家を建てる見通しがたっていない世帯が多いということが物資配布前の調査で明らかになっていました。

訪問世帯は地域別の受益者リストからランダムに選定

【生活用品・衛生用品】
多くの世帯は、家と共に調理器具や毛布、服など生活必需品も流されていたため、配布した物資はすぐに使われています。特に鍋などの調理器具と毛布は重宝されていました。現地での昼間の気温は30度近くにまで上りますが、朝晩は一転し息が白くなるほど冷え込みます。毛布を受け取る前は、床に布を敷き、薄い布をかぶり、家族で身を寄せ合って寝ている様子でした。

配布前は鍋を近所に借りていた世帯も

【食料】
南部州パロンベ地区チワロでは多くの世帯が農業で生計を立てています。ちょうど主食であるトウモロコシの収穫期を迎えていましたが、洪水の影響で収穫量は大幅に減りました。伯母の家に避難しているマリー・マリコさん(写真左から2番目の女性)もその一人で、昨年に比べ収穫量は20分の1にまで減ったといいます。

妊娠7か月目を迎えるマリコさん

不作による価格高騰も顕著です。洪水の被害を受けていない州(特に中部)では干ばつが深刻化しており、マラウイ全土が食糧危機に陥ろうとしています。パロンベ(南部)のトウモロコシはすでに3倍近くまで価格が上がっており、今後もさらにつりあがると予測されています。
モニタリングで訪れた世帯の多くは、食料の備蓄がほとんどない状況で、「昨日食料をもらえたので、今日は朝ごはんを食べることができた」という家庭もありました。

配布した豆が煮こまれているところ

【家屋の補強材料】
パロンベ地区チワロの家は、ほとんどが現地で作られたレンガと木材、藁ぶき屋根でできています。グッドネーバーズ・ジャパンが配布したビニールシートは、現地では「ブラックシート」と呼ばれ、壊れた壁の一時的な修復や、防水用として屋根に使われます。パロンベ地区に限らずマラウイでは広く普及しているもので、幅広い用途に使用できます。

半壊にとどまらず家が丸ごと流されたケースも多くあります

自転車修理で新たなスタートをきったモファットさん

モニタリングで家を訪問した際、4人の子どもをもつモファット・ムワニウェさん(34)という男性に出会いました。片足が不自由なモファットさんは、ヤギや豚、鶏などを飼育し生計を立てていましたが、1月の洪水で家畜は全て流されてしまったと言います。家も4分の3は壊れてしまいましたが、今もその家で暮らしています。

インタビューに応じるモファットさん

「家で呆然としていても何も始まらないので、自転車の修理屋を始めました。」と話すモファットさん。専門的なスキルはありませんでしたが、自分の自転車を直していた経験を活かし、修理屋を営んでいます。たいていは朝6時から夕方4時まで働いているため楽な仕事ではありませんが、今は一定の収入を得られています。こつこつとお金を貯め、家の再建に必要なレンガをすでに用意していました。グッドネーバーズ・ジャパンから配布されたビニールシートと釘を使って、近々家を建て直す予定だと話してくれました。

4人の子ども達と一緒に

生活再建に向けて

1月に起きた洪水から4か月が経っていましたが、家や家財を失った人々の暮らしは依然厳しいままです。主食のトウモロコシの不作・価格高騰がさらに家計を圧迫し、どの家庭も今を生きることに精いっぱいの状況です。大切な家族と暮らす「家」に対するニーズも非常に高いのですが、限られた収入では賄いきれず、再建は後回しになっています。
現在は親戚等の家を間借りしているとはいえ、「自分達の家で暮らす」ことは元の生活を取り戻すために欠かせないものです。今回の支援が彼らの生活再建の一助になることを願いつつ、グッドネーバーズ・ジャパンは今後も災害で苦しむ人々のための活動を続けていきます。

インタビューに応じてくれた家族とスタッフ

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