インドネシア公衆水場(MCK)設置事業
2014年6月、ある支援者様のご寄付によりグッドネーバーズ・ジャパンはインドネシア公衆水場(MCK)設置による衛生改善プロジェクトを実施しました。
- 対象地域:インドネシア国西アチェ州カウェイ郡パシイ・ジュンパ村
- 支援内容:MCK(マンディールーム 男女ペア)全4基
- 対象者数:パシィ・ジュンパ村365家庭の内約150家庭
MCKとは
MCKとは、
「M」 Mandi(水浴び)
「C」 Cuci(洗濯、お皿洗い)
「K」 Kakus(トイレ)
というインドネシア語3つの略語です。つまり、「MCK」とは1つの部屋の中で3つの用事が済ませられるスペースの呼び名で、農村地域の一般家庭で使われています。
パシィ・ジュンパ村は農村地域で村内には365世帯が住んでおり、住民の約80%は農業で生計を立てています。各家庭に小さな井戸はありますが、どの家庭の井戸も水質が悪く、数年前グッドネーバーズが給水施設を支援しました。そのため、飲料水や調理に必要な清潔な水を手に入れる事はできるようになりましたが、トイレと体を洗う場所がない状況は改善しておらず、住民たちは未だに川でトイレと水浴びをしなければいけません。
また、給水施設があるにも関わらず川や各家庭の古い井戸で炊事用具や野菜等を洗っている村民もおり、住民の衛生に関する知識は以前と変わらず低いままでした。
下水道が整備されていないインドネシアの農村部では、川の上に木とビニールシートでスペースを作り、トイレとして使っている家庭が多くあります。パシィ・ジュンパ村も同様で、排泄物はそのまま川に流され、その川の水で体を洗っているのが現状です。
その結果として、村民の健康状態にも悪影響が出たり、皮膚病の患者が出たり、慢性的に下痢の症状を訴える子どもも少なくありませんでした。
女性も子どもも安心して使えるMCK
このような状況を解決するため、グッドネーバーズ・ジャパンはグッドネーバーズ・インドネシアと協力してパシィ・ジュンパ村に4基の公衆水場(MCK)を建設しました。
これにより、同村に住む365家庭のうち約150家庭が安全で清潔な公衆水場(MCK)を利用できるようになりました。男女のスペースも分かれているため、女性が周囲の視線を気にしたり、危険を感じながら水浴びをすることもなくなります。また、大人と比べて感染病にかかりやすい子ども達の健康を守ることもできます。
村の衛生環境を改善する第一歩に
6月10日には村内の女性や子ども達を対象に衛生教育授業も行われ、約100名が参加しました。この授業にはアチェ州健康局のスタッフが講師として参加し、衛生に関する基礎知識や公衆水場(MCK)の使い方を指導しました。
6月12日の完成式典はあいにくの雨模様でしたが、多くの住民が参列しました。
「この公衆水場が現状の改善の1歩となってほしいと思います。しかしこれができて終わりではなく、これからも継続的に衛生教育授業を行う必要があります。健康局はこれからもグッドネーバーズ・インドネシアと協力して住民の指導を行っていきます」と健康局スタッフ。
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