【タイ】ミャンマー避難民へのアプリを活用したタイ語教育の導入支援事業を開始

2021年のミャンマーでのクーデター以降、続く内紛の影響により、タイにはこれまでに9万人以上の避難民が流入しています。戦闘の激化により、特にタイ国境のターク県メーソート郡では2024年4月以降、ミャンマーから毎日2,000人以上の避難民が国境を越えており、その4分の1が子どもとされています。
この子どもたちの多くは、言語の壁や経済的不安から、タイで教育を受ける機会に恵まれていません。2005年以降、タイでは外国籍の子どもも公立学校に通うことが可能となりましたが、実際の受け入れは限定的であり、代わりに「移民学習センター(MLC:Migrant Learning Center)」が子どもたちにとって重要な学びの場となっています。
現在、ターク県内には約62校のMLCが存在し、そのうち45校がターク県初等教育局の登録下にあります。これらのMLCでは、タイ語による基礎教育の導入が進められている一方で、教員不足や教材の不備、予算の制約など、多くの課題が残されています。特に近年は、避難民の流入増加に比例して入学希望者も急増しており、既存のMLCではすべての子どもを受け入れることが難しい状況が続いています。
こうした状況を受け、グッドネーバーズ・ジャパンはターク県のメーソート郡・ポッププラ郡のMLC9校を対象に、教育アプリを活用した効果的なタイ語教育の導入支援を進めています。
※当事業はジャパン・プラットフォームの助成により実施されています。
現地で調査を実施しました(2024年9月24日〜30日)

導入する教育アプリは、タイ政府の教育カリキュラムに準拠し、教師がミャンマー避難民の子どもたちに合わせた授業計画を立てやすくして、タイ語での指導力と学習の質の向上を目指しています。

9月24日から30日にかけて、グッドネーバーズ・ジャパンのスタッフが、メーソート郡・ポッププラ郡のMLC5校を訪問しました。現地では、タイ人教師スタッフや校長先生、タイに暮らす移民の子どもたちの教育を支援する移民教育コーディネーションセンター(MECC)の関係者へのインタビューや、教育現場の調査を実施しました。

訪問を通じて、MLCへの入学希望者がさらに増加傾向にあることが改めて確認されました。現場の教師からは「新しく来た子どもたちはタイ語が全くわからない子が多いため、授業の理解に時間がかかる」「同じ教室内にタイ語のレベルが違う子どもたちがいるため、授業のマネジメントが難しい」といった声も多く聞かれました。
今後の活動
本事業では、今回の調査を踏まえ、現場の声を反映しながら、ICTを活用した学びの支援を通じて、子どもたちが自立した未来を築くための基礎教育の充実を目指しています。
今後も、現地提携団体などと協働しながら、アプリの導入や教師へのトレーニングの実施などの活動を進めてまいります。




