【シリア人道危機】シリアで緊急支援物資の配付を行いました
グッドネーバーズ・ジャパンは、2024年12月のシリアにおける政変を受けて、現地パートナー団体との協力のもと、2025年4月から6月までにシリア国内三県にて延べ3,916世帯へ食料や衛生用品の配付を行いました。14年にわたる戦争が終わったシリアでは、依然として人道危機状況が継続しており、約1,650万人が人道支援を必要としています＊1。
家屋や学校、保健施設などあらゆる建造物が破壊されており、現在でも電気や水道、インターネットなどの生活インフラも不安定な状態が続いています。
この記事では、シリアで行った緊急支援物資の配付の様子をお伝えします。
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成を受け実施しています。
＊1 Humanitarian Response Priorities: Syrian Arab Republic Jan – June 2025.
食料配付の様子
食料配付の際には、事前に援助機関間で調整されたルールに基づいて、各世帯へ配付する食料や衛生用品の内容や量を決めています。
食料には、パスタや米などの炭水化物、豆類などのたんぱく質、缶詰の野菜などが含まれていて、シリアの人々の生活には欠かせない、お茶なども入っています。
生命維持のための最低限の食料となっていますが、物資は現地の食文化に合わせて構成されており、お茶もシリアの人々を支える大切な食品です。
食料配付の対象者は、事前に現地の援助調整機関や他団体との調整の元に選定されています。
ラタキア県においては、2025年3月に異なる背景を持つグループによる衝突が発生し、これにより周辺住民である民間人の犠牲者や家屋の被害なども発生しました。このため、本事業のラタキア県での活動では、同事案により生計手段を失ったり家屋に被害を受けたなどして影響を受けた人々を対象にしています。
また、アレッポ県では、障害のある方や収入のない・少ない方、高齢者世帯など脆弱性の高い家庭を優先的に支援しています。県によって状況が異なるため、各地の状況に合わせた支援を行っています。
おわりに
本事業を通して、延べ3,916世帯（22,043人）が食料や衛生用品などの命をつなぐための支援を受け取りました。長年にわたって戦争が続いていたシリアの状況は厳しく、依然として90％以下の人々が貧困ライン以下の生活を余儀なくされています。
グッドネーバーズ・ジャパンでは、今後もシリアの復興と再建に向けて、シリアの人々との歩みを続けてまいります。
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