【モザンビーク】ペンバ市のサイクロン被害を受けた地域で復旧事業を実施しました

2024年末、モザンビーク共和国北部地域をサイクロン「チド」が襲い、45万人以上の住民が被災したほか、250の学校と52のヘルスセンターの屋根や壁が崩壊するなどの被害を受けました。
グッドネーバーズ・ジャパン(GNJP)は、最も被害が大きかった地域のひとつであるカーボデルガード州ペンバ市にて、学校2校、ヘルスセンター4棟の修繕を行うと共に、被災したコミュニティの防災力強化に取り組みました。
事業開始前の被害状況
2025年2月、ペンバ市で被害を受けた学校を訪問すると、生徒たちは屋根にビニールシートを張って応急処置された教室や、校庭の木陰で授業を受けていました。

また、現地のヘルスセンターでは、待合室や入院病棟の屋根が吹き飛び、患者さんが炎天下で診療を待つほか、必要な入院が出来ない状況になっていました。

コミュニティでは、サイクロン接近などの緊急時には、一人でも多くの命を守るための取り組みとして、政府が避難アラートを発令し、住民に早めの避難を呼びかけています。
しかし現実には、「畑の作物が被害を受ける前に急いで収穫したい」「大切な家財道具を安全な場所に運びたい」といった理由で、避難よりも財産を守る行動を優先してしまう人も少なくありません。
その結果、避難が遅れ、急激な増水による洪水に巻き込まれて命を落としてしまうケースも発生しています。
事業の内容と成果
そこで当事業では、学校2校、ヘルスセンター4棟の修繕を行うと共に、コミュニティの自然災害に対する防災力強化にも取り組みました。
具体的には、住民で構成される防災委員会を組織してコミュニティのハザードマップを作成し、有事の安全な避難経路の整備および住民との避難訓練を実施しました。

当事業の対象校2校では、全部で17ある教室のうち11の教室が使えない状況になっていましたが、当事業により教室の稼働率が35%から82%に上がり、通常通りの授業運営ができるようになりました。
ヘルスセンターにおいては、コレラ病棟の運営が再開したほか、待合室も修繕されたため、より多くの患者が安全にかつ迅速に診療や治療を受けられる環境が戻りました。
コミュニティに設立した防災委員会においては、委員会メンバーが国家防災局(INGD)の研修を受けました。
加えて、実際の災害を想定した避難訓練を実施し、84人の住民が参加。
これらの取り組みにより、住民の防災に関する知識と意識が大きく向上しました。
防災委員会の設立および避難訓練の実施前には、サイクロンなどの緊急時に「避難する」と回答した人は55%にとどまっていましたが、実施後にはその割合が100%に上昇し、避難の必要性への理解が広まりました。
おわりに
今回の支援を通じて、被災したコミュニティの子どもたちが安全な教室で学び、患者が適切な医療を受けられる環境が少しずつ取り戻されています。また、防災委員会の設立や避難訓練の実施により、住民自身が災害に備え、自らの命を守る力を身につけることができました。
自然災害は繰り返し訪れます。だからこそ施設の修繕にとどまらず、住民の「防災力」を育て、災害に強いコミュニティづくりを支援してまいります。
皆さまのご寄付が、モザンビークの人々の安全な暮らしを実現します。 温かいご支援を引き続きよろしくお願い申し上げます。
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