学校できれいな水が使えるようになりました
現在、世界ではおよそ21億人が必要な時に自宅で清潔な水を使用することができません。その中で、世界の約9人に1人にあたる8億4,400万人が基本的な飲み水を確保することができず、自宅から30分以上かけて水汲みに行ったり、河川や湖から汲んだ未処理の水を飲んだりしなければなりません。
サハラ以南のアフリカでは状況が最も深刻で、安全な水を使用できるのはわずか4人に1人といわれています。
途上国では、多くの子どもたち、特に女の子が水汲みの役割を担います。それによって子どもたちは学校に通うチャンスを失い、また、水汲みの道のりで暴力などの被害を受けるリスクに晒されています。
(出典:ユニセフ・WHO(2017)『衛生施設と飲料水の前進:2017年最新データと持続可能な開発目標(SDGs)基準』)
ザンビア・マペペ村での衛生プロジェクト
学校に安全な水がありませんでした
サハラ以南のアフリカに位置するザンビアの首都ルサカから南に25km離れたところに、人口約3,300人程が住んでいるマペペ村があります。そこには日本でいう幼稚園から中学3年生までの子どもたち、490人が勉強している学校があります。しかし、その学校には子どもたちが利用できる水が全くありませんでした。
学校には飲み水がなく、トイレは水で流すことができずひどい悪臭がしていました。
このような環境の中で、子どもたちは下痢や腸チフスなどの水因性疾病にかかり、学校を早退・欠席することが多くなっていました。
水とトイレが改善されました
グッドネーバーズは、どうしたら学校できれいな水が使えるようになり、子どもたちがしっかり勉強できるようになるかをマペペ村の住民と一緒に考え、プロジェクトを実施しました。そして学校の前に井戸が完成し、2,500ℓの大きな水タンクがおかれました。子どもたちはきれいな水を使うことができ、さらにその水をバケツで持ち帰って家でも使えるようになりました。
不衛生だったトイレも水で流せるようになり、悪臭が消え、トイレを清潔に保てるようになりました。
「学校できれいな水が使えるようになったおがげで、遠くまで水汲みに行かなくて良くなりとっても嬉しいです。安全な水と、清潔なトイレを存分に使えるので、集中して勉強ができるようになりました!!」
マペペ村の学校に通うボイド・テンボ君
同校では、子どもたちを対象に衛生教育も行いました。子どもたちが、生活の中で手を洗うことの大切さを理解できるように人形劇を上映し、自分で衛生管理ができるように指導しました。また、歯ブラシと歯磨き粉、石鹸などを配って、家でも自分で衛生的な環境を整えることができるようにしました。
住民にも衛生に関する意識が広まりました
学校で子どもたちに起こった変化は、その後地域全体に広がっていきました。住民たちの衛生に関する意識が変わり、自ら村の環境改善に力を入れるようになりました。住民たちは井戸を管理することや、清潔で安全な水を飲むことの大切さを実感することができ、健康な生活を心がけるようになりました。
きれいな水で地域を元気に
グッドネーバーズは未来を担う子どもたちの健やかな成長のため、ザンビアの他の地域でも飲料水と衛生支援事業を進め、地域社会の環境改善に取り組んでいます。
井戸がないために遠くまで水を汲みに行っていた子どもたちは、その仕事から解放されて学校に通い、勉強したり、友達と遊んだりできるようになりました。そして、住民たちは安全な水で農作物を栽培できるようになりました。きれいな水によって、地域全体が元気で明るい社会へと変わっていきます。
すべての人が安全な飲料水と清潔な衛生施設を使えるよう、皆さまのご協力をお願い致します。