世界中の子ども達に笑顔を。途上国の子どもの教育支援・緊急支援を行う国際NGOグッドネーバーズ・ジャパン

*
2025.11.12 活動報告

子どもの食の貧困・体験の格差是正に向けて――実行団体の活動現場を訪問しました②(休眠預金活用事業)


困窮世帯の子どもたちは、十分な食事をとることや体験活動の機会を得ることが困難な場合があり、適切な支援が求められています。
この状況を受け、グッドネーバーズ・ジャパンは、一般財団法人日本民間公益活動連携機構(所在地:東京都千代田区、理事長:二宮 雅也、英文名:Japan Network for Public Interest Activities、略称:JANPIA)の「2024年度 物価高騰及び子育て対応支援枠<第3回> 休眠預金等活用法に基づく資金分配団体」として、子どもの「食」や「体験」に関する課題を抱えた低所得のひとり親家庭等を支援する団体に対し資金的・非資金的サポートを行い、支援活動の促進に取り組んでいます。

グッドネーバーズ・ジャパンは2025年9月~10月にかけて、事業実行団体の活動現場を訪問し、各団体の取り組みの様子を視察しました。
本記事では、東京・大阪で支援活動を実施する3団体への訪問の様子をご報告します。

(各実行団体が実施する本休眠預金活用事業内容の詳細はこちらよりご覧いただけます)


一般社団法人タウンスペースWAKWAK

所在地大阪府
申請事業名 低所得のひとり親家庭をはじめ社会的不利を抱える家庭のSOSを官と民、多セクター連携により発見し支援を届ける事業

本団体は大阪北部北摂エリアにて、多セクター連携を通じた食支援や学習支援に取り組み、社会的不利を抱える子育て家庭を支援しています。
グッドネーバーズ・ジャパンは今回、本団体が連携している「きよさきあーちゃん食堂」を訪問しました。


・地域のつながりが生み出す子ども支援
「きよさきあーちゃん食堂」は、本実行団体が構築する支援ネットワークの一団体であり、ご夫婦によって運営されています。数年前、近隣で子どもの水難事故が起きたことをきっかけに、「子どもたちが集まれる場所をつくりたい」という思いから始まったそうです。教会を会場に、子ども食堂とフードパントリーを継続して実施しています。
訪問した土曜日の昼には、すでに多くの子どもたちが集まり、食事を楽しむ姿が見られました。毎回およそ60人が参加しているとのことです。配膳はご夫婦の娘さんが担当され、ご家族が一体となって活動を支えています。また、ご夫婦はお孫さんたちから地域の様子を聞き取り、午後には支援を必要とする家庭への食品配達も行っているとのことでした。

きよさきあーちゃん食堂入り口 
食事・配膳の様子

食事の後には、工作やゲームなどのアクティビティを実施しています。今回の訪問日は10月下旬だったため、子どもたちがハロウィンのリース作りを楽しむ様子が見られました。
こうした運営は、近隣のNPOの方が毎回担当されており、本実行団体が目指す「地域で支え合うネットワーク」が広がっていることを実感しました。

ハロウィンリース作り

一般社団法人チョイふる 

所在地東京都
申請事業名 足立区における分散型フードセーフティーネット拠点の構築事業
(副題)分散型ネットワークで支える子どもたちの未来

本団体は東京都足立区における困窮子育て世帯に向けて、宅配による「こども宅食」やフードパントリーを通じた食支援を実施しています。また、オンライン・オフラインでの子どもの居場所づくりに取り組んでいます。
今回の訪問時は、「キッズカフェ」での活動の様子を見学しました。


・親子の笑顔が集う場所
当拠点では、親子で楽しめるイベントや、プチヨガなどのリラックス企画といったさまざまな催しが行われています。訪問当日は「料理対決」のイベントが実施され、スタッフが手づくりした食事がふるまわれました。会場では、親子が食事や遊びを楽しむ姿が見られ、和やかな雰囲気に包まれていました。
保護者がスタッフに生活・子育ての相談をすることもでき、地域に開かれたアットホームな居場所として機能しています。
また、経済的困難や不登校などの事情で外出が難しい子どもたちにもつながりを広げるため、オンラインの居場所運営のための作業も進められています。

キッズカフェ
食料支援の様子

特定非営利活動法人夢職人

所在地東京都
申請事業名 経済的に困窮する子育て家庭への食と体験の緊急支援事業

本団体は、地域の飲食店と連携したデジタルクーポンを活用した食支援や、親子で参加できる体験活動の提供を通じ、経済的に困難を抱える子育て家庭を支援しています。
今回は、食支援活動の現場に伺いました。


・地域の飲食店とともに育む支援の輪
本団体の食支援活動に協力しているお弁当屋「ほぺった」を訪問しました。支援対象家庭はデジタルクーポンを利用し、「ほぺった」のお弁当やお惣菜を自分のタイミングで購入することができます。必要なときに必要な支援を受けられるこの仕組みは、利用者にとっても便利で柔軟な支援のかたちです。

デジタルクーポン利用可能店舗「ほぺった」 
利用者さんが購入できるお弁当

お弁当屋を運営するご夫婦は以前から食支援に関心を持っており、「夢職人の活動を通して協力できることが嬉しい」と話していました。利用者との会話を楽しむ様子も見られ、温かな雰囲気が感じられました。
こうした取り組みに賛同し、本団体の活動に協力する地域の飲食店は現在45店舗に広がっています。



今回の訪問を通して、各団体が地域に根ざして子どもたちを支えるべく、支援活動を着実に進めていることを確認しました。
グッドネーバーズ・ジャパンは、こうした現場の取り組みがより良い成果につながるよう、今後も実行団体に対して適切なサポートを行い、支援活動を促進してまいります。



▶関連記事
子どもの食の貧困・体験の格差是正に向けて――実行団体の活動現場を訪問しました①(休眠預金活用事業)

▶ 本休眠預金活用事業の詳細等はこちらのページからご覧いただけます
https://www.gnjp.org/work/domestic/kyumin2024/


▶ 休眠預金等活用とは
「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」(休眠預金等活用法)に基づき、2009年1月1日以降の取引から10年以上、その後の取引のない預金等(休眠預金等)を社会課題の解決や民間公益活動の促進のために活用する制度として、2019年度より開始されました。(参考:JANPIA Webサイト

絞り込み

カテゴリー

  • すべて
  • お知らせ
  • 活動報告
  • 人道支援
  • 現地スタッフから
  • キャンペーン・イベント
  • メディア掲載
  • プレスリリース
  • 未分類

活動地域

  • すべて
  • ミャンマー
  • ガザ
  • レバノン
  • シリア
  • インド
  • カンボジア
  • ネパール
  • バングラデシュ
  • エチオピア
  • チャド
  • モザンビーク
  • ウクライナ
  • 日本
  • その他

年代

  • すべて
  • 2025
  • 2024
  • 2023
  • 2022
  • 2021
  • 子どもサポーターになりませんか?
  • キモチと。