世界中の子ども達に笑顔を。途上国の子どもの教育支援・緊急支援を行う国際NGOグッドネーバーズ・ジャパン

*
2021.09.24 活動報告

世界中で展開する協同組合の活動~力を合わせてより良い生活を!~

グッドネーバーズは、世界中で様々な協同組合の支援を行っています。協同組合とは、共通の目的を持った人同士が集まり、協力し合う組織を指します。人々が共に資金や施設等を共有したり、一緒に新しいシステムをつくったりして利益を生みだすことを目的として結成されます。

特に途上国では資金や施設の不足などに加えて、個人では専門知識やビジネスのノウハウを得る機会がないことや、マーケットを見つけることができない場合が多くあります。そのため、人々が協力し合うことで安定した収入を得ることができる協同組合は重要な役割を果たしています。

グッドネーバーズは、途上国の人々の収入を安定させ、人々が貧困から抜け出し豊かな生活を送れるように、様々な協同組合を積極的に支援しています。

今回の活動報告では、コロナ禍においても危機を克服している、世界中のグッドネーバーズ協同組合支援事業をご紹介します。 

 

アジア🌎

ムオンパ養豚協同組合(ベトナム) 

ベトナムの小規模養豚農家は、外部の仲介商人が決めた量と価格に依存せざるを得ない不利な構造により、十分な収入を得ることが困難でした。そこで、グッドネーバーズ・ベトナムは小規模養豚農家の収入を向上させるために、2018年にムオンパ養豚協同組合を設立しました。住民は組合を介して共同でお肉を販売することで、仲介業者と価格交渉を行えるようになりました。さらに、共同で肥料を生産したり屠畜場を運営したりすることでコストを削減し、外部への依存度を下げることができました。

パンデミック前に市場で豚肉を販売するムオンパ養豚協同組合の人々

しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、ベトナムの養豚組合にも様々な困難がありました。ロックダウンにより地域間の移動が難しくなり、飼料調達が困難になったり販路が断たれるなどしました。しかし、組合員たちは自主的に飼料生産に関する勉強会を行い、有機飼料の作製や小売店の設立を通して、販路を開拓し始めました。パンデミックという困難に屈せず、「共に」可能性を信じて連帯したのです。 

独自の飼料生産のための講習を受講する組合メンバー(左) 豚に飼料を与える様子(右)

今年、ムオンパ養豚協同組合は、共同の販売施設や飼料製造施設を設立する予定だといいます。ピンチをチャンスと捉え新たな道を開拓したムオンパ養豚協同組合は、常に良い変化を起こそうとチャレンジしています。 

スリーサワーティー・クンダ野菜協同組合(ネパール)

お米と同じようにカレー、トマト、野菜が主食であると言われるネパール。グッドネーバーズは2017年、首都カトマンズ近郊のバレー(Valley)地域において、小規模農家がトマト、キャベツ、キュウリなどの野菜を販売して収入を得ることができるよう、スリーサワーティー・クンダ野菜協同組合を設立しました。組合員は農業に必要な資本の融資を受けて種子と肥料を購入し、野菜を育てました。そして、すくすく育った野菜は近くの市場や店で販売され、組合員は以前より余裕のある生活を送ることができるようになりました。 

 

肥料を選ぶ様子(左) トマトを収穫している様子(右)

しかし、ネパールでも新型コロナウイルス感染症の影響により、皆で集まって農業研修を受けることができなくなりました。そこで、グッドネーバーズ・ネパールは電話などで非対面の指導を開始しました。たとえ直接会うことはできなくても、グッドネーバーズ・ネパールの農業専門家によるトマト栽培技術教育を通じて組合員の活動を継続することができました。

リモートでトマト栽培技術教育を受ける組合員 


スリーサワティー・クンダ野菜農業協同組合員へのインタビュー

Q.協同組合に加入した後に、どのような変化がありましたか? 
協同組合に加入してから、生活は大きく変わりました。一人で野菜を栽培していたときは、どこでどのように売るか漠然としていましたが、今は組合員と一緒に販売店を確保でき、安定しています。以前は、食べるだけで精一杯でしたが、今は収入も増え、貯蓄する習慣も少しずつできてきました。」(Parbati Timalsina さん) 

Q.コロナ禍で、協同組合がどのように役立っていますか?
「共に困難を克服することができる組合員がいて、非常に心強いです。特にパンデミックによって手に入れることが難しくなった種子や肥料を適切な時期に提供してもらえて、ロックダウンによって移動が難しい状況でも電話でいつでもアドバイスを求めることができ、大きな助けになっています。収入が増えることで子どもの教育費や家族の生活費を支援することができ、大きな力になっています」(Manju KC さん) 

アフリカ🌎

チャムベ穀物協同組合(マラウイ)

マラウイでは、穀物生産の80%以上が小規模農家によって生産されています。農家が個別で穀物を販売しているため、相対的に価格交渉力が低く、適正な価格で販売することができていませんでした。そこでグッドネーバーズ・マラウイはチャムベ穀物協同組合を組織し、種子や農機具などの農業に不可欠な物資を支援したり、穀物の栽培研修などを行うことで、住民の自立を支援しました。 

トウモロコシを収穫して選ぶ様子 

その結果、穀物生産量(トウモロコシ、大豆)は2019年の115,431kgから2020年には182,935kgに増加し、穀物も適正な価格で販売することができました。新型コロナウイルスの感染拡大以降、以前のように対面で農業研修を行うことは難しいですが、グッドネーバーズ・マラウイは住民の持続可能な生活のためにタブレットPCを活用した農業教育を行う予定です。

住民はコロナ禍でも協同組合と一緒に困難を克服し、地域社会の自立能力を高めています。

組合員が一緒に集まって会議をする様子

 

チャムベ穀物協同組合員

グッドチーズ協同組合🧀 (ニジェール共和国)

慢性的な飢饉と劣悪な栽培環境に苦しんでいたニジェールのダライ地区は、子どもの栄養不足の問題を抱えていました。こうした問題を解決するために、グッドネーバーズ・ニジェールは牛乳の生産経験があるフラニ族(Foulani)という伝統遊牧民族と村ごとに連携し、チーズを製造しました。名付けてグッドチーズ(Good Cheese)協同組合です! 

チーズを作る組合員 

フラニ族が牛乳を生産し、グッドチーズ組合員がチーズを作って連携しながら販売します。その結果、1ヶ月に約1,500個のチーズを生産できるようになりました。また、組合の月の純利益も220ドルを記録し、プラスの変化が続いています(2020年現在)。

グッドチーズ協同組合員へのインタビュー

Q.協同組合に参加した後、家庭の子どもたちにどのような変化が訪れましたか?
「組合に参加する前の月収は30ドルでしたが、現在は40ドルに増加しました。ニジェールの農村地域における10ドルの増加は、栄養たっぷりの食事を取り戻すことができ、必要な学用品を購入できるほどの価値があります。組合に参加した後、子どもたちがバランスの取れた食事をして確実に健康になり、今ではビニール袋ではなくリュックサックに学用品を入れて楽しく学校に行く姿を見ることができていて、本当に幸せです」(Oumou Hassane さん)

中南米🌎

テクセル協同組合(グアテマラ)

グッドネーバーズは、地域社会の中で設立された様々な協同組合を見つけて育成し、支援する事業も行っています。グッドネーバーズ・グアテマラが昨年から裁縫の技術を持っている女性組合員で構成された、テクセル(TEIXCHEL)協同組合もその一例です。 

テクセル協同組合は刺繍機を修理し、地域で販売する新しいブラウスの製作を通じ、新たな可能性を生み出しています。新型コロナウイルスの影響により輸出が途絶え事業が難しくなりましたが、ブラウスのほかにも、マヤ文字を刻んだクラッチバッグと財布をデザインして、アメリカに輸出する計画を立てるなど、組合員が共に危機を克服できるよう助け合っています。 

テクセル協同組合員のみなさん 

生地を織る様子

「 様々な技術や才能を持った組合員のおかげで新しいデザインの商品が製作され、 “共に” 今の困難を克服することができると信じています」
( テクセル協同組合員のBerta Angelaさん) 

組合員のみなさん

グッドネーバーズは、地域社会の社会経済的自立のために 世界25カ国800の協同組合で73,000人以上の組合員と一緒に活動しています。 全世界の地域住民が、今後もグッドネーバーズと共にコミュニティへ良い変化をもたらすことができるように、引き続き応援をお願いします。

絞り込み

カテゴリー

  • すべて
  • お知らせ
  • 活動報告
  • 人道支援
  • 現地スタッフから
  • キャンペーン・イベント
  • メディア掲載
  • プレスリリース
  • 未分類

活動地域

  • すべて
  • インド
  • カンボジア
  • ネパール
  • バングラデシュ
  • エチオピア
  • チャド
  • モザンビーク
  • ウクライナ
  • 日本
  • その他

年代

  • すべて
  • 2024
  • 2023
  • 2022
  • 2021
  • 2020
  • 子どもサポーターになりませんか?
  • キモチと。