バングラデシュ アラノくん 捨てきれなかった勉強への情熱
決意と努力があればどこまでも高く飛べ、あらゆる壁を壊していける。生まれてすぐに孤児になり、育ての父が人力車の引手というとても貧しい家庭で育った少年が、そのコミュニティの希望となりました。
貧しかった家庭
バングラデシュのアラノくんは、1歳の時に孤児になり、当時子どものいなかった家庭に引き取られましたが、その後三人の弟妹が誕生しました。義父の仕事は人力車の引手。とても貧しく、家族全員が食べていくことすら難しい状況でした。 アラノくんは幼少期からずば抜けて能力の高い子どもで、教育を受けたいと強く思っていましたが、家には学校に行けるようなお金はありませんでした。 「子ども達の教育のために、血液を売ってお金を工面しようかとさえ思った」と彼の義父は悔しそうに語りました。
閉ざされた勉強への道
なんとか地元のスラムの学校に入学し、そこで8年生(日本では中学2年)まで勉強しましたが、家庭の財政状況はひっ迫し、かつ家の長男として弟妹の面倒を見なければならず、勉強を中断し、日雇い労働をすることを余儀なくされました。 「朝から晩まで働くのは本当にきつかった。やったことのない人にあの苦しみはわからないと思います。友達が学校に行っているのを見るたび、自分の運命を呪っていました。」彼は勉強への情熱を捨てきれずにいたのです。
グッドネーバーズとの出会い

ある日、アラノくんはグッドネーバーズ・バングラデシュの子どもスポンサーを知ります。そしてグッドネーバーズが運営する学校(GNB Gulshan school)への入学が認められ、さらに健康や栄養面の支援も受けられるようになりました。「人生は変わった。グッドネーバーズの学校に入学してから、すべてのことが『普通』になったんです。」 家族のため、勉強のかたわらでアルバイトをしていますが、彼の勉強への情熱は全く衰えません。彼の成績は5段階評定で4.8-5.0と並はずれて素晴らしく、キプロスという国での留学も決まっています。
良き隣人として
留学から帰ってきたら、バングラデシュにストリートチルドレンのための夜間学校や大学を設立するという夢があります。彼は貧しい人々の境遇を非常によく分かっているのです。 「僕は人生で貧困とずっと戦ってきたし、その辛さも知っています。グッドネーバーズがそばにいてくれたことは、本当に幸運でした。僕も社会における良き隣人でありたい。貧しい人達が、貧困の悪循環から抜け出せる手助けをしたい。」 彼の成功を願ってやみません。