「シャワーは2日に1度…」新型コロナが直撃したひとり親家庭の生活の今

ひとり親家庭

新型コロナウイルスで困窮するひとり親の香織さん(30代、仮名)の生活とは?

30代後半の香織さんには、颯太くんという小学3年生のお子さんがいます。颯太くんが3歳になったばかりの頃に離婚を経験した香織さんは、親権を得て2人での生活を送ってきました。

年収は、週6日、1日6時間の飲食店でのパートと公的補助金を合わせて200万円未満。元夫の収入は不安定で、養育費を受け取れることは滅多にありません。月の食費を1~2万円に切り詰めて、ギリギリの生活を続けてきました。

そんな母子2人の生活は、新型コロナウイルスの感染拡大でさらに追い詰められることになりました。

緊急事態宣言が発令されると、飲食店でのパートが週3日、1日3時間に減らされたのです。パート収入は約4分の1に激減しました。

一方で出費はかさみます。小学校の休校措置が延長された颯太くんは、1日中自宅で過ごすため、平日の昼食を給食ではなく家で食べるようになり、最近は食べる量が増えて一日中「お腹空いた」と言っています。マスクの価格も高騰していましたが、買わないわけにはいきません。

既にギリギリだった香織さんの生活は、さらに困窮しました。減った収入では家賃すら払えず貯金を崩しましたが、来月分の家賃は残っていません。自分の食事はお米と納豆のみで1日1食にすることもあり、シャワーも2日に1度に減らしました。それでも家計のやりくりが難しくなり、自分の保険も解約したそうです。

『毎日、暗いトンネルの中にいる』ような絶望的な気持ちになっていたそうです。

ひとり親家庭_家事

困窮するひとり親の香織さんを救ったグッドごはん

申し遅れましたが、私は認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンの細川もなみと申します。

私が香織さんと出会ったのは、私たちグッドネーバーズ・ジャパンが運営する「グッドごはん」の食品配付でのことでした。

「グッドごはん」では、低所得のひとり親家庭を対象に食品を配付しています。

香織さんは、新型コロナウイルスの影響で困窮を極めていた時期にこの「グッドごはん」のことを聞いたそうです。『暗いトンネルから抜け出すきっかけになるかもしれない』と考え、食品配付に申し込んでくださいました。

初めて香織さんがグッドごはんの食品を受け取りに来た日、かごいっぱいの食品を見て「これ、全部いただけるんですか?こんなにもらっていいんですか?」と聞かれた時のうれしそうな顔がとても印象的でした。食品を受け取った月は、香織さんと颯太くんの生活に少し光が見えたと感じたそうです。

「グッドごはん」の食品配付

1回の食品配付では、1世帯当たり18,000円相当の食品が配られます。

これにより、香織さんは食事を1日3食に戻すことができました。お母さんが一緒にご飯を食べるようになり、颯太くんも喜んでいます。

家計の負担も軽くなった香織さんは、買うのを諦めていた颯太くんへの誕生日プレゼントも、「なんとか買ってあげられそう」だそうです。

パートの仕事は減ったままで先行きの不安は消えず、暗いトンネルを出たとはとても言えないそうですが、『子どもと話す時間が増え、笑いながら過ごす時間ができたことには、幸せを感じています』と話してくれました。

ひとり親家庭

私がシングルマザーとして思うこと

実は私自身もシングルマザーです。小学生の息子と2人で生活しています。

ひとり親になってすぐの頃は、世帯収入が半分以下になり、公的な手当をいただいて暮らしていました。

今は幸いフルタイムのお仕事をさせていただいていますが、もし病気やケガで働けなくなったり、長期で休まなければいけなくなったら、生活をしていけるのだろうか、息子のことをどうすれば良いのか、と不安がよぎることがあります。

そして、息子に対しては、寂しい思いをさせていたり、がまんさせていたりするのでは、と思うことがあります。

私自身もひとり親として、「グッドごはん」を利用される方と同じ立場に立った経験があるからこそ、ひとり親家庭のお母さんたちが抱える不安に寄り添うことができるのではないか、と考えています。

GNJP Staff

子どもの2人に1人が貧困状態。ひとり親家庭の現実とは?

現在、日本の子どもの7人に1人が相対的な貧困状態にあると言われています。

この問題は、ひとり親家庭ではより深刻で、国内のひとり親世帯の子どもの2人に1人にあたる50.8%※1が相対的貧困と言われ、例えば親1人子1人の世帯では年間172万円未満で暮らしているなど、特に支援を必要としています。

私たちが行った調査※2では、ひとり親家庭の47%が公的補助金などを含めても200万円未満の世帯年収で暮らしています。

グッドごはんを利用するひとり親家庭の世帯年収

ひとり親家庭の貧困は、見えない貧困です。多くのひとり親が、社会とのつながりを持たず、不安をひとりで抱えているのです。同じ調査では、70%のひとり親が困ったときに他者に助けを求めることに「抵抗がある」「どうやって助けを求めれば良いのかわからない」「時間や気持ちに余裕がなくて助けを求められない」と回答しています。

新型コロナウイルスが直撃するひとり親家庭の生活

私が働く認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンが行った「グッドごはん」の利用者さんへの緊急アンケート※3では、新型コロナウイルスの感染拡大により、ひとり親家庭の生活が私たちの予想を超えるレベルで困窮していることが分かりました。

75%の方の収入が減っており、 6人にひとりは「収入が無くなった、ほぼ無くなった」と回答しています。

新型コロナウイルス収入への影響について

95.6%の方が食費が増えたと回答していますが、その増加額は約1万円から3万円の間という回答が多く、収入が減る一方で食費の増加が大きな負担となっていることが分かります。

新型コロナウイルスアンケート
不安は収入と食費以外にもあります。

・母子家庭だと母親が感染したら子どもは?という不安といつも闘っています。

・洗濯物を減らしたり、掃除機を使わずほうきに変えました。

・子どもの学習塾を辞めました。

・オンライン授業に必要なタブレット端末が買えないので家に1台あるスマホを使うしかないが、子ども2人の授業が同じ時間に重なってしまいます。

「グッドごはん」を運営するグッドネーバーズ・ジャパンとは?

グッドネーバーズ・ジャパンは、国際組織であるグッドネーバーズ・インターナショナルの一員として、国内外を問わず、支援を必要とする子どもたちを守る活動をしています 。

具体的には、アジアやアフリカなど40カ国以上で、世界20万人以上が参加する「子どもスポンサー」というプログラムを通じて、児童労働や早すぎる結婚から子どもを守る活動をしたり、教育を受ける機会の提供、水や医療などの支援を行なっています。

そして日本国内では、ひとり親世帯を対象とした支援を行なっています。2017年9月に「グッドごはん」を始めてから、累計で6,400万円相当の食品(2020年5月末時点)を利用者に配付しています。

グッドネーバーズでは、私たち大人には、すべての子どもたちの「こころ」と「身体」を守る責任があると考えています。

GNJP Staffs

ひとり親家庭を支援するには?

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。見えない貧困と呼ばれるひとり親家庭の現実の一部と、新型コロナウイルスの感染拡大による生活への影響についてお知りいただけたのではないかと思います。

「子どもにお腹いっぱい食べさせてあげたい」

これは、親であれば誰もが抱く感情だと思います。

それにもかかわらず子どもにお腹いっぱい食べさせてあげられないひとり親家庭の親たち、そして食べたい気持ちをがまんしている子どもたちのために、あなたにできることがあります。

グッドネーバーズ・ジャパンが運営する「グッドごはん」ですが、ご賛同いただくご支援者様からのご寄付で成り立っています。

どうか、この記事をお読みいただいているあなたも、ひとり親家庭の親子がきちんと食事をとれるよう、ご支援をいただけないでしょうか。

あなたの毎月のご寄付で、「誰も助けてくれない」と絶望するひとり親家庭に手を差し伸べることができます。

ご寄付は、1日あたり33円(毎月1,000円)から500円単位で任意の金額をお選びいただけます。

あなたのご寄付はこのように使われます。

毎月のご寄付でできること

グッドネーバーズ・ジャパンは、数あるNPO法人のなかでも、一定の基準を満たしていると東京都の認定を受けた認定NPO法人です。

この認定は「活動や組織運営、情報公開が適切に行われている、公益性の高い団体」であることの証明でして、現在、日本には50,000以上※4のNPO法人がありますが、「認定NPO法人」として認定されているのは、わずか2%※4に過ぎません。

ですので、ご寄付がきちんと使われるかという点についてはご安心いただければと存じます。そして、今回ご寄付をいただける場合、ご寄付は国内のひとり親家庭の支援のために使われます。

さらに、「認定NPO法人」への寄付は寄付金控除の対象となるため、寄付金額の約40%が税額から控除されます。
 

寄付金控除表

 

ご寄付により届けることのできる食品は、子どもたちのお腹を満たすだけでなく、大きな不安と孤独を抱えながら、ぎりぎりの日々を送っているお母さんたちの支えになります。

支援を受けたお母さんたちの声をお読みください。

『余裕のない日々の中で、人の温かみを感じ、張り詰めた緊張が和らぎました』

自分の食事をとれるようになりました』

『娘が「たくさん食べてもいいんだね!これきっと高いよね!」と目を丸くして喜んでいて、娘と二人で、ぴょんぴょん跳ねてしまいました』

『子どもたちは、サンタさんからのプレゼントみたいだと喜んでいます。そんな姿を見ると、私も幸せな気持ちになります』

『食材を持ち帰るととても嬉しそうに喜んで、受験生だった娘は甘いものが食べられて元気になり勉学に励めました

子どもたちの未来のためにできること

公園で遊ぶ子ども

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

ひとり親家庭と言うと、「それは自己責任なのではないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、ひとり親になる方の多くは避けようがない理由だったり、子どもとの安全な生活のために離婚という選択をせざるを得なかったのです。

そして、子どもたちには何の責任もありません。その子どもたちが、お腹いっぱい食べられなくてもがまんしています。勉強する元気さえも奪われています。

あなたのご寄付で、そんな子どもたちの状況が変わります。

どうか、ご支援をお願いいたします。

 


[出典] ※1「平成28年国民生活基礎調査」厚生労働省
※2「グッドごはん利用者(ひとり親家庭)の生活に関する2019年アンケート調査報告」グッドネーバーズ・ジャパン
※3「新型コロナウイルスの感染拡大による生活への影響に関するアンケート」グッドネーバーズ・ジャパン
※4 内閣府NPOホームページ『特定非営利活動法人の認定数の推移』より引用

プライバシーを守るため、グッドネーバーズ・ジャパンが支援しているひとり親家庭の親子の事例から、一部内容を変えて掲載しています。本記事で使われている写真はイメージです。