みなさんこんにちは!海外事業部の諫山です
2021年より、ハイチ地震の被災者支援事業を担当しています。
2021年の8月14日、カリブ海の島国ハイチの南西部でマグニチュード7.2の地震が発生しました。
多くの家屋が損壊し、家を失った人々は厳しい避難生活を強いられています。
こうした状況を受け、グッドネーバーズ・ジャパンは、2021年10月より、グッドネーバーズ・ハイチ(以下:GNH)と連携して家屋を修繕するための資材を配付する事業を開始しています。
詳しくはホームページの活動報告をご覧ください。
私は、2016年にハイチにハリケーン「マシュー」が襲来した際にも緊急支援を担当していました。
このブログでは、ハイチに滞在経験のある私 諫山から、大好きなハイチのごはんについてご紹介させていただこうと思います
<ハイチごはんの歴史と特徴>
①フランスと西アフリカの影響
ハイチは17世紀半ばからフランスの植民地でした。
フランス人によって西アフリカから多くの黒人奴隷が連れてこられ形成された国なのです。
従って、フランスとアフリカの料理の影響を強く受けた「クレオール料理」が生まれています。
料理名の多くがフランス語をもとにしており、フランス語が訛ったものがクレオール語として料理名になっていることも多くあります。
(そもそもハイチ・クレオール語は西アフリカ諸語とフランス語の両方の影響を受けた言語です。)
一部には、ロールキャベツやキビなど、歴史的なシリア地方からの移民によるレバノン料理の影響もみられると言われています。
②豆
豆料理は、ブラジルでも宗主国ポルトガルがアフリカから連れてきた黒人奴隷が食べていた食事でしたが、今やブラジルを代表する国民的料理となりました(ブラジルの豆とごはん料理は「フェイジョン・アホイス」と呼ばれます)。
調理の仕方や見かけ上は、ハイチの豆料理とブラジルの豆料理は違いますが、味のつけ方は少し似ているなと感じます。黒人奴隷の食事に始まり定着したものというルーツが共通しているからではと思います(諫山所感)。
<日常的に使われる主な食材>
米、豆、バナナ、イモ類(キャッサバ、タロイモ種)、トウモロコシ、トロピカルフルーツ(アボカド、マンゴー、パイナップルなど)など
<主なハイチ料理・よく食べられるもの>
■主食は米です。コーンミール(粗びきのトウモロコシ粉)を用いた料理も多いです。
国民食として最も代表的且つ一般家庭的なのは、豆の炊き込みご飯「ディリコレ(ジュリコレ)」です。
ジュリコレに、同じく国民食の一つである野菜と豚肉料理「グリオ」を添えて食べたり、野菜と肉の煮込んだもの「レギュム」をかけて食べられるのが一般的です。
ディリコレは、ハイチ国内中どこに行っても必ず目にします。黒く炊くものと、白く炊くものとがあります。
2016年諫山ハイチ滞在中に撮影した、ソースレギュムがかかったディリコレ(黒と白)
■煮込み料理が多く、トマトペーストやコンソメが一般家庭でかなり多用されます。
(緊急支援事業においても、基礎調味料としてトマトペーストやコンソメが配布物資として選定されるほどです。2016年のハリケーン・マシュー食糧物資配布のときも、2021年8月の地震での食糧配布のときもトマト缶は配布されました)
2021年8月地震に対しGNHが9月に行った配布食糧の写真
■柑橘類を肉や魚料理に多用します。肉や魚をライムやオレンジ汁で洗ったり、オレンジで煮込んだ肉料理があったります。
ハイチ料理の代表として挙げられる「グリオ(グリオッツ/グリヨ)」は豚肉の塊を柑橘類に漬けこんでから揚げたフルーティーな肉料理です。ハイチ人はグリオ大好きです。国民的料理!
■マンゴー、パイナップルなどのトロピカルフルーツを使った料理も多いです。食堂に行くと、ごはんの添え物・デザートとしても必ずついてきます。
たまねぎ、ピーマンなどの千切り野菜のミックスピクルス「ピクリーズ」はあらゆる料理に添えられています。
アボカド(クレオール語で「ザボド」と呼ばれます)はよく乗っかっています。
2022年3月GNHハイチ人スタッフ撮影の食事
■カリブ諸国や中央アメリカでポピュラーな食材であるマランガ芋というタロイモの一種もよく使われます。
2022年3月GNHハイチ人スタッフ撮影の食事(左)
2016年諫山ハイチ滞在中に撮影した食事(右)
■「スパゲッティ」はメニューとしてあちこちの食堂やレストランで見かけます。トマトソースベースでアボカドを添えて食べられることも多いです。
(パスタも、2016年のハリケーン・マシュー、2021年8月の地震への食糧支援物資の一つとして配布されました。)
2021年8月地震に対しGNHが9月に行った配布食糧の写真
以上、ハイチのごはん紹介でした!お楽しみいただけたら嬉しいです!