現地スタッフのダシアーノです。
アナは、モザンビークのキャベネという地域に母親、兄弟2人と暮らしています。
父親は別の場所に働きに行っています。
今、小学校1年生で、進級するにはもう少し勉強が必要と判断されたため、同じ学年で勉強をがんばっています。
前向きな性格で、一番大切にしているのは友情です。
将来の夢は先生になることだそうです。
アナが暮らすキャベネ地域では、水道は通っておらず、ハンドポンプの給水施設や川の水を使用しています。

モザンビークは、インド洋に面し、南北約2,500kmに広がる美しい海岸線を持つアフリカ南東部の国です。
今回は、このモザンビークの美しい海、そして水環境についてご紹介します。

豊かな海の幸にも恵まれていて、魚市場では新鮮なエビや貝が手に入ります。
海鮮料理のなかでも、エビのグリルやココナッツ風味の魚の煮込みは特に絶品で、アフリカとポルトガルの食文化が融合し、香辛料の効いた深みある味が特徴です。
海沿いのレストランでは、美しい景色を眺めながら地元の海鮮料理を楽しめます。

モザンビークの農村部には、水道やトイレといった水衛生設備が整備されていない地域があり、そのような地域では濁った川の水を生活用水として使い、日常的に野外排泄をしているため、下痢や赤痢、コレラなどで子どもを含む多くの人々が命を落としています。
モザンビークは、世界で最も子どもの死亡率が高い国の一つで、5歳未満で死亡する子どもの16%が、不適切な水衛生環境によるものであるとされています(USAID,2020)。
雨季はため池に水が溜まるので、その水を汲み料理や洗濯に使用しています。
乾季になるにつれて、このため池は枯れていくので十分な水を汲めず、時には3時間以上歩いて遠くの川やため池を探さなければなりません。

グッドネーバーズ・ジャパンは、2022年よりモザンビークの南部ガザ州で、安全な水へのアクセス向上と衛生環境を改善する事業を行っています。
具体的には、給水施設の建設、修繕、学校トイレの建設、家庭トイレの普及、野外排泄ゼロを目指した衛生啓発活動を実施しています。

こちらは、給水システム、そして牛の水飲み場が修繕されたことを喜び、歌って踊るコミュニティ住民の皆さんです。
農村部では、家畜で生計を立てる人が多いため、牛の飲み水が確保されることも生活の上で欠かせないのです。

これは、コミュニティ住民の皆さんと共に野外排泄ゼロを目指した衛生啓発のワークショップをしている様子です。
床にコミュニティの地図を描き、普段どこで用を足しているかを聞きます。答えた場所に茶色い粉をまいていき、数名に聞いただけで描いた地図が茶色い粉だらけになります。
このワークショップでは、野外排泄が村中で行われている様子を可視化することで、住民が「これは恥ずかしい！家にトイレを作らなきゃ！」と感じ、行動変容を起こすきっかけを作っています。
参加した住民からは、「これまで野外排泄は良くないと分かっていましたが、深く穴を掘るのが重労働でトイレを作るのを後回しにしていました。このワークショップに参加して、家にトイレを作る良いきっかけになりました。」という声が聞かれました。

スポンサーシップ・プログラムへのご支援、大変ありがとうございます。
皆さんのおかげで、モザンビークの子どもたちの環境が少しずつ良くなっています。
今回ご紹介した水衛生事業だけでなく、教育、保健、といった面でも支援を必要としているコミュニティがあります。
モザンビークの子どもたちが、健やかな成長できるよう、引き続きあたたかいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。