グッドネーバーズ・エチオピアのスタッフ、アベベです。
デモラは、エチオピア南部のシダマに、父親、母親、兄弟2人と一緒に暮らしています。
歌うことが好きな小学校2年生で、好きな食べ物は麺類やパスタだそうです。
シダマはコーヒー栽培で有名な高地で、子どもたちの親の多くは、日雇いの仕事や、コーヒー栽培や果樹栽培に関わる仕事をしています。
しかし得られる収入は少なく、生活は楽ではありません。

エチオピアは、アフリカ東部にある多民族国家で、オロモ族やアムハラ族など、約80の民族が一緒に暮らしています。
宗教も多様で、キリスト教、イスラム教、伝統的な信仰などが広く信仰されており、話される言葉も地域によって様々です。
そのような異なる文化や価値観を持つ人々が、ひとつの国の中で暮らす、多様性に富んだ国です。

インジェラを焼くためには専用の調理器具が使われ、大きな円状に生地を広げて焼き上げます。
サイズが大きめですが、エチオピアではインジェラを1人で1枚ずつ食べる習慣があります。
各家庭にこの機械があるわけではないため、街中の小さなお店などでインジェラを購入し、家庭で作ったおかずと合わせて食べられています。

このような独自の食文化や、多様な民族が織りなす豊かな文化を持つエチオピアですが、国内には大きな地域格差があります。
都市部は急速に発展する一方で、地方ではインフラが整っておらず、さらに近年は物価の上昇を受け、貧しい生活を強いられる人々も多くいます。

グッドネーバーズ・ジャパンは、教育支援、医療・保健支援、生計向上、水衛生境の改善、子どもの保護など、多岐にわたる活動を通じて地域社会を支えています。
また、ソマリ州では今年の4月から、新しくヘルスセンターの改修及び女性の生活や権利を守るための活動を始めました。

この事業で支援するヘルスセンターは、施設の老朽化によりドアや窓が壊れており、天井にも穴が空いている状態です。
鳥やコウモリの侵入により衛生面での問題が大きく、さらに電気・水の供給も不十分で、最低限の修繕が求められています。

ソマリ地域では、女性が教育や医療情報を得る機会が限られ、特にFGM(女性性器切除)や妊産婦の健康問題が深刻です。
本事業では、女性が自らの権利や健康について学び、意思決定に関われるよう力を育むとともに、母子衛生の向上やFGM予防に取り組みます。

私は、グッドネーバーズ・エチオピア本部でエンジニアとして働いています。
学校やヘルスセンター、シェルターなどの建設・修繕を担当し、地域の人々が安全で快適に暮らせる環境づくりに取り組んでいます。
図面の設計から現場の確認まで日々忙しいですが、人々の生活が少しずつ良くなっていく様子を見ると、大きなやりがいを感じます。
日本の皆さまのご支援、いつも本当にありがとうございます。