グッドネーバーズ・バングラデシュのスタッフ、モンジュです。
ジハドは、バングラデシュ南西部のインドとの国境近くにあるメヘルプールという村で、父親、母親、姉妹1人と暮らしています。
今、小学校3年生で、好きな科目は算数です。
将来の夢は、兵隊になることです。
メヘルプールは温暖な気候の農村地帯で、子どもたちの親の多くは農業に携わっています。しかし得られる収入は少なく、生活は楽ではありません。

バングラデシュは、北はヒマラヤ山脈、南はベンガル湾に囲まれている国です。
3つの大きな河川が国内を通っており、海抜は9m以下の平野が国土のほとんどを占めています。
年間の平均気温は26度ほどで、国内の地域間で大きな気温差はありません。

バングラデシュは多彩なフルーツが楽しめる国です。
特に雨季の5月から7月にかけては、マンゴーやライチが街中のバザール(市場)でよく売られています。
中でも、ライチは旬が短いため、見かけたら必ず購入するという人も少なくありません。
また、村を訪れると、家庭の庭で栽培された見たこともないフルーツをご馳走になることがあります。

肥沃な大地により、様々な作物に恵まれているバングラデシュですが、一方で海抜が低いことから、少しの雨やサイクロンによって洪水や浸水といった災害に毎年見舞われている国でもあります。
こういった災害に対しては、まだまだ十分な対策が取られておらず、特に南の沿岸部は毎年サイクロンによって甚大な被害を受けています。

グッドネーバーズ・ジャパンは、2023年より沿岸部のカラパラ郡において、サイクロンに対する防災事業を行っています。
具体的には、既存のサイクロンシェルターの修繕、新しいサイクロンシェルターの建設、村の災害管理委員会の設置・研修の開催、防災訓練・防災啓発イベントの実施、防災に関わる各ステークホルダー間の連携強化などの活動を行っています。

これは、現在建設中の多目的サイクロンシェルターの写真です。
この地域では家畜を飼っている世帯も多く、サイクロンがきた際に家畜を置いていくことに抵抗を感じ、自分自身もシェルターに避難しないという方も多くいます。
さらに、シェルターの設備が十分に整っていないことも避難を選択しない理由のひとつとなっています。
本事業で建設しているサイクロンシェルターは、家畜用の設備を併設し、高齢の方や障害のある方も安心して使用できるようスロープを付けたり、男女別のトイレを多く設置するなど、今まで避難を躊躇していた方々も避難できるような工夫をしています。

この写真は、対象地域の45村に設立した村災害管理委員会(VDMC)の研修の様子です。
研修では自分の住んでいる地域の地図を皆で作成し、実際のサイクロン発生時にどのような行動を取るか確認したり、事前の備えについて意見を出し合ったりします。
サイクロンシェルターを建設するだけでなく、防災啓発活動を併せて行うことで、コミュニティ全体の防災能力を高めています。

私は子どもの頃、グッドネーバーズの支援を受けていました。
その後、ボランティアスタッフ、グッドネーバーズが運営する学校の非常勤講師、そして最終的にはグッドネーバーズ・バングラデシュの職員になりました。
私は自分がしてもらったことの恩返しをしたいと思い、現在はコミュニケーションチームのマネージャーとして働いています。
私と同じように、皆さまの支援によって多くの物語が生まれています。
皆さまのご支援のおかげで多くの子どもたちとその家族の物語が変わり、夢を見ることができるようになりました。
多くの子どもたちにとって、グッドネーバーズは希望です。
スポンサーの皆さま、いつも本当にありがとうございます。