グッドネーバーズ・エチオピアのスタッフ、テメスゲンです。
ラヒマは、エチオピアの首都アディスアベバのリデタというスラム地域に、母親、姉妹1人と暮らしています。
今、小学校の2年生で、好きな科目は外国語です。
将来の夢は、パイロットになることです。

エチオピアは、独自の文化や伝統を重んじる国です。
伝統的な料理であるインジェラや、偽バナナとの異名を持つエンセーテという植物からできるコチョという食べ物は、古くからの主食で現在も多くの家の食卓に毎日並んでいます。
食べものだけではなく、暦もとてもユニークです。
世界で広く使用されているグレゴリオ暦とは異なり、エチオピアの暦では現在は2016年で、1年のカレンダーには13月があります。

こちらは、収穫されたコーヒー豆の写真です。
収穫後、よく洗った後に道路や家で約10日から2週間ほど天日干しします。その後、脱穀して生豆となります。
諸説ありますが、コーヒーを初めて発見したのはエチオピアと言われており、この天日干しの手法もエチオピアから始まったと言われています。

このように、今までの伝統や文化を守り豊かに暮らしているエチオピアですが、一方で、近年では武力紛争や気候危機（洪水と干ばつ）、疫病（マラリアやコレラ）などで経済的な打撃を受け、人々は困窮し多くの被災者が避難民となっています。
現在、助けが必要な人々は2,000万人以上いますが、すべての人に支援が行き届いていません(OCHA, 2023)。

グッドネーバーズ・エチオピアでは、教育、保健、生計向上、水衛生、子どもの保護などの様々な分野から持続可能なコミュニティ開発を行ってきました。
その中でも、エチオピア南部のコーヒーの産地として有名な地域で行っている、平和構築事業についてご紹介します。

私たちは、15村の小学校を対象に「平和について考える日」を設けました。
平和ってなんだろう？という質問に対して、「友達と一緒に学校で勉強できること」と答えた生徒がいました。
エチオピアでは、紛争の影響で国内避難民になってしまったり、学校が壊されたりしていて、学校に通えていない子どももたくさんいます。

そして、どうすれば平和を築いていけるだろう？とみんなで考えた結果、「異なる民族だからといって差別しない」、「一緒にサッカーをする」といった答えを生徒から聞くことができました。
彼らは、写真のように”平和”から連想した言葉をアムハラ語で印刷したり、オリジナルの歌を作ったり、学校の周りをみんなで掃除したりと、工夫して平和な学校を作っています。

私は、2010年からグッドネーバーズ・エチオピアの職員で、現在は資金調達や助成金管理部門のマネージャーです。
ドロ・ワットという鶏肉を使ったエチオピアの伝統的な料理が大好きです。
豊かな歴史と多様な民族アイデンティティのあるエチオピアで、困っている人たちを助けたいという思いが、私の仕事の原動力になっています。
日本の皆さん、いつも応援してくれてありがとうございます。これからもよろしくお願いします。