グッドネーバーズ・チャドのスタッフ、バニです。
ザラはチャドのファシャアテレ地域に、父親、母親、兄弟4人、姉妹1人と暮らしています。今、ヨナスクール小学校の4年生です。
好きな科目は社会で、将来の夢は看護師になることです。
ザラの父親は農業で一家の生計を立てていますが、収入は少なく生活は楽ではありません。

北アフリカの中央部に位置するチャド。
1960年の独立以後、反政府勢力との紛争や内戦が繰り返される不安定な情勢が続きました。
その影響もあり、現在でも治安は不安定で、インフラ、貧困、教育など様々な分野において課題を抱えています。

チャドでは人口の約８割が農業・牧畜産業に従事しています（ITA, 2020）。
2022年、グッドネーバーズはチャド南部のマコド地域で玉ねぎ栽培を支援するプロジェクトを行いました。
玉ねぎは冷涼な気候を好むイメージですが、高温でも生産できる品種もあります。通年での生産が可能なため、多くの農家が関心を寄せており、事業の継続が期待されています。

多くの社会課題を抱えているチャドですが、中でも深刻なのが保健医療です。
チャドでは、5歳未満の子どもの10人に1人が亡くなっており、妊産婦の死亡率も100人に1人と非常に高く、深刻な課題となっています（UNICEF, 2019）。
グッドネーバーズは、ファシャアテレ地域の保健センターでの活動や医療機器の提供などを通して、チャドの女性や子どもたちの命と健康を支えています。

グッドネーバーズ・チャドでは、特に教育や水衛生、保健医療での支援に力を入れています。
教育の分野では、2023年2月、カカム地域にある6つの小学校に授業で使用するさまざまな教材を配付しました。
これにより、教師が効率良く授業の準備ができるようになり、子どもたちもより質の高い授業が受けられるようになりました。

写真の建物は、グッドネーバーズ・チャドが新たに建設した妊産婦保健センターです。
ここには、専門的なトレーニングを受けた8人の医療スタッフがおり、医薬品や治療器具が揃っています。
また、産前産後ケアについての研修を90人の保健ボランティアと村のリーダー達に行い、安全に出産するための正しい知識を広めています。

地域の保健医療サービスはコミュニティ・ヘルス・ワーカー（CHW）によって支えられています。
CHWは困っている人々の相談に乗ったり、医療サービスの紹介をしたりしています。
2年前からCHWとして働いているザムザムさんは、「母子保健の大切さを伝えるのが重要な役割だと実感している」と話してくれました。

私は2009年よりグッドネーバーズ・チャドで働いています。サッカーと読書が好きです。
皆さまのご支援は子どもたちの教育、健康、福祉に多大な貢献をしています。
子どもたちにこの支援を届けるのが、私の仕事だと強く感じています。