2007.01.01 支援事例

アフガニスタンの希望 サブル君

サブル君 14歳 / 5年生

サブル君
アフガニスタンには、グッドネーバーズが運営するザマルミナ小学校があります。その学校には、今年 14 歳になるいたずら好きで元気なサブル、という名前の男の子がいます。育ち盛りのサブル君は、去年に比べるとずいぶん背が伸びました。でも彼の両肩は、いつもバランスがとれずに傾いています。

アフガニスタンでは、23年間にわたる紛争が続きました。パシュトゥーン族とハザラ族が首都カブールで激しく武力衝突をしていた頃、サブル君は生まれました。サブル君の家は戦闘地域の境界 線に位置していたために、1日も銃声は途絶えることなく続いていました。空を飛び交うミサイルが家に落ちてこないか恐々とする日々でしたが、 ついにサブル君が生後3カ月の時、恐れていたことが起こってしまったのでした。家の庭にミサイルが落ちたのです。サブル君は大怪我を負い、右足を失いました。大勢の人の温かい支援によって、手術と治療を受けることはできましたが、その後も続いた紛争のために継続治療ができず、サブル君は片足を失ったまま乳児施設に預けらたのです。

数年前、紛争は終結しました。当時、軍事政権を保持していたタリバンが退き、新しい暫定政権が確立されました。
そして、多くの国際 NGO がアフガニスタンにおける支援を始めたおかげで、サブル君は義足という形の新しい右足を持つことになったのです。

だけど、サブル君にとって義足を付けるのは初めてのこと。義足は、慣れるまでに時間がかかり、痛みも伴います。でも、一旦慣れてしまうと、サブル君は友達と学校へ行けるようになり、ゆっくり走ることもできるようになりました。

それでも、成長期のサブル君と義足のサイズはすぐに合わなくなります。サイズの合わない義足を付けていると、すぐ腰が痛くなってくるのです。できるだけ早くサイズのあった義足に交換したいのですが、サブル君の父は職を失ったばかりで、そんな余裕はありません。だから、義足は小さくても今も使うしかないのです。

それでもサブル君は、片方の足をひきずりながらも歩き、走れることがとてもうれしい、と無邪気な笑顔を見せてくれます。
アフガニスタンには、サブル君と同じような境遇にある子どもがたくさんいます。戦争は終わったけれど、その戦争の傷跡は今でも痛々しく残っているのです。この傷を癒すためには、戦争が続いた時間よりも、ずっと長い年月が必要とされるでしょう。

子ども達は、やがてアフガニスタンの社会を担っていく将来の希望です。激しい紛争によって、心にも体にもとても深い傷を負った子ども達に、私達は義足をプレゼントしたいと考えます。義足をつけて歩き、走りまわる子ども達が、やがて希望に溢れた将来に向かって走り出せる場を提供することができると考えています。