世界中の子ども達に笑顔を。途上国の子どもの教育支援・緊急支援を行う国際NGOグッドネーバーズ・ジャパン
2010年8月
アン・ソンジン
ケニアより、こんにちは。
私は3月からケニアのジラニ教育センターへ派遣され、活動しているアン・ソンジンです。
様々なイベントや行政支援を受け持っていますが、中でも代表的な活動は「音楽クラブ」
の
運営です。
ケニアのほとんどの学校には音楽や美術、体育の授業が有りません。人材も条件も充分でないためでしょう。それで放課後、特別活動のような形で始めたのが、音楽クラブでした。
先生は私だけなのに入部希望の子どもたちはとても多くて、不本意ながらオーディションを
しなければなりませんでした。こうして、選抜された30人余りの子どもたちは、鼻高々でした。

わくわくのオーディション
音楽クラブの最初の曲は「Amazing Grace」でした。ほとんどの子どもたちが知っていた歌なのに、私のキーボードの実力と、いい加減な授業が子どもたちを悩ませてしまいました。授業方式を全面的に変えなければならないと考え、新たに決めたのが「ガチョウの夢*」という韓国の歌でした。
上手に歌うことも重要ですが、それよりも「ガチョウの夢」の歌詞の意味を考えてほしかったので、最初に子どもたちに歌詞を説明して、実際の私の経験を話しました。現実と夢に関して話し、英語に訳した歌詞を何度も読みました。一緒に歌を聞いて一小節ずつ教えながら歌いました。

練習の様子
「ガチョウの夢」を、歌詞を見なくても歌えるようになった頃、ジラニ教育センターの先生から、ケニア政府が開催する全国音楽大会に参加してみるのはどうかと提案されました。歌を楽しむ事と大会に出場する事は全く違う次元で、自信はありませんでした。
でも、現実という壁を越えようという意味の歌を歌っているのに、ここで立ち止まる事はできないと考えました。韓国人の友人の助けを借りて二小節をスワヒリ語に翻訳して、演出も考えて音楽大会に出る準備をしました。
6月18日、大会の日。明るく笑う子どもたちの姿は羽ばたくガチョウのように希望と可能性がいっぱいに見えました。結果は3位、予想していなかったほど良い成績だった事もとても嬉しかったけれど、それより限界を破った子どもたちの姿が感激的だったし、感謝しました。

ケニアにボランティアとして派遣されて以後、私は「挑戦すればかなう」という希望を持つようになりました。韓国でのマニュアル通り生きていく日常生活ではなく、事務局長や、現地スタッフの全面的な支援のもと、直接プログラムを計画して実行し、子どもたちと一緒に意義ある経験が出来るとは、本当に幸せです。
今後、グッドネーバーズが作っていく「ケニア版ガチョウの夢」。期待できそうですよ!
*ジラニ教育センター
1995年に設立されたグッドネーバーズ・ケニアは首都ナイロビのスラム街を中心に活動をしています。その中の「コロゴチョ」地域は、現地の言葉で ゴミを意味する地域名の通り、ナイロビの全てのゴミを焼却処分するゴミ処理場の周辺に形成されたスラム街です。コロゴチョの住民達は生きるためにゴミの中から売れるものを探し集めて生活しています。
グッドネーバーズ・ケニアはコロゴチョでジラニ(Jirani、隣という意味の現地の言葉)教育センターという学校と職業訓練センター、保健所を運営し住民達の自立を支援しています。
*ガチョウの夢
イ・ジョク、キム・ドンニュル/作詞、作曲、編曲 (from Carnival 1997)
http://www.youtube.com/watch?v=vrunZLZn4v0 (Youtube)